
札幌は昨年3月以来だけど、レストランのや(のや2nd)でのライブは実に1年半ぶりとなりました。前回のや公演は僕が新型コロナ感染して回復後最初のステージだったので、緊張と不安のなかで始まったライブとして忘れられません。それからのやはNHKの番組で紹介されて大人気店になってしまって、忙しすぎてちょっと大変そう。「今回のライブは私たちにとって癒やし」と店主川端さんたちは言う。近藤研二さんと一緒に来れたことを嬉しく思いました。
札幌は東京より10度くらい気温が低そうだったのでヒートテックなんかも準備してたけれど、普段の装いにウィンドブレーカーでちょうどいいカラッとした快適さ。午後に会場入りしてみんなに「おかえりー」と言われる喜び。音を鳴らして、天井の高い軟石造りの響きに包まれる。北海道はもちろん、道外からもたくさんのお客さん。セットリストをぎりぎりまで考えて本番、まずは僕のソロから。


リリースから10年となった『緑の時代』は初夏の雰囲気のアルバム、そのオープニングトラック「点と線」からスタート。25周年の『weekend』から「何もない人」「光と水の関係」。当時初めてのインストアライブをやった場所がタワーレコード札幌ピヴォ店で、そのときの手応えがその後の演奏活動の糧になったことを忘れません。札幌では初披露の「小箱のなかの音楽」「音楽は魔法?」も音の響きが気持ちよくて声がよく伸びていく。「ナイトスイミング」もガラスの天井が目に浮かぶようでした。「距離を越えてゆく言葉」はのや店主川端さん(かとちゃん)からのリクエストに応えて。ずっと歌っていたいと思うような気持ちのいい空間でした。
近藤さんのステージも素晴らしかった。ギターのインストゥルメンタルの前半の演奏はちょっと神がかってたかもしれない。僕は控室で仰向けになって聴いていたのだけど、独りオーケストラみたいな感じで、何人かの近藤さんが演奏してるみたいに聞こえて階下のステージを何回か確かめにいったくらい。ここ数年で近藤さんが言葉をつけた歌たちもよかったな。歌詞が良いのだ。なんと贅沢なコンサートなのだろうか、と思う。


ふたりのセッション、まず「ポチの子守唄」を近藤さんのギターに乗って。10年前の今頃生まれた歌、ポチを見送った10年目の6月がやってくる。子守唄をもう1曲、「眠れねこねこ」。僕が歌詞を書いて近藤さんが曲をつけた「猫のふりをして」は小気味いいフォークソング、ハーモニーも心地良い。1曲新しい曲を歌いたくて近藤さんにギターを弾いてもらった。「昨日今日いつか」とタイトルをつけたが、歌詞もタイトルもまた変わるかもしれない。
「第2の人生」「太陽と満月」「toi toi toi」をアップテンポで手拍子をもらいながら大団円。「toi toi toi」を最後に演奏すると明日もきっと良い日になるって思えるから不思議。終演後はたくさんのサインと握手。のやのご飯をゆっくり食べられなかったのは残念。またぜひ次回に。外に出るとさすがに肌寒く、北国にいることを実感。
夜遅く、前回に引き続き狸小路にあるクセのある居酒屋ニュー花園で打ち上げ。お世話になった皆さんに感謝。長い一日、お疲れさまでした。



photo by ka-ko、吉積里枝