2003年7月24日にリリースされたGOMES THE HITMAN『omni』、今日でリリースから21年になりました。2001年に最初のレーベルとの契約が切れてインディーレーベルから『mono』という作品を作り、その『mono』の流れをくんだライブを観てくれたレーベルのディレクターがバンドをもう一回メジャーのフィールドに引っ張り上げてくれた。このディレクター氏はもともと映像セクションにいた人だったので、映画の話でよく盛り上がったし、バンドの楽曲の映像との親和性についても熱く語って取りくんでくれた。アニメーションとのタイアップやCM起用など、VAPというレコード会社に在籍した頃に関わったあれこれを思うと、多分に映像出身のディレクターがそばにいてくれたからだと感じる。レコーディング中にもよくカメラを回してくれて、その素材が発掘されたので今年の春に『omni film』というドキュメンタリーを公開した。
『omni』からは「愛すべき日々」がセットリストの常連。「そばにあるすべて」なんかも演奏するたびに深化していくし、今回の25周年ツアーでは「20世紀の夏の終わり」「day after day」あたりが演奏ラインナップ候補になっている。リリース当時は『mono』と『ripple』に囲まれた中途半端な作品だっという自己見解があったのが、最近になってそのポップさとアヴァンさが魅力だと思っている。けっちゃんが本格的にドラムをしっかり録音したアルバムという意味でも分岐点になった。「そばにあるすべて」に堀越メンバーのオルガンが入ったときの感動とか、須藤さんが頑張った「california」とか、湘南の浜辺で夜中に歌を録ろうとして結局お蔵入りになった「千年の響き」とか。今ならはっきりと明言できる。『omni』はメンバー4人と当時のディレクター、そして5人目のメンバーであるプレクトラムの藤田顕(アッキー)とみんなで作り上げた青春群像劇だ(『ripple』は制作過程が『omni』より歪だという比較も含めて)。
当時は音楽業界は今より少し良い時代で、レコーディング中におなかが減ったらレコード会社のお金でご飯が食べられたし、どこからかお菓子が湧いてきて、ロビーには枯れないコーヒーの泉があった。気分転換にダーツをしたり、遅くまでスタジオにこもって車の一台も走っていない真夜中の道をドライブして帰った。『omni』を作り上げて、何かが変わるかも!と意気込んだがそんなに大して状況が変わることもなかったけれど、今作りたい作品を作ったという達成感と気持ちの変化はあった。
最近作業机のなかを整理していて20年前のデモテープがたくさん発掘された。20年前というのは2004年、ちょうど今頃、僕は肺気胸で倒れ身体を壊してライブ活動を休止、自宅でひたすらデモを作っていた。翌年の『ripple』へ向かう過渡期。あまたあるデモのなかに僕がひとりで作った「bluebird」のデモがある。ドラムは「愛すべき日々」の素材をサンプリングして、執拗なまでにダビングを重ねてものすごい奇妙な世界観を作り上げていた。『omni』と『ripple』の合いの子みたいだなと思ったので下記で聴けるようにしておきます。今日、ぜひしまっていた洋服に風を通すみたいな感じで『omni』を聴いてもらえたら嬉しいです。今週末の名古屋大阪でも日替わりで『omni』から演奏します。
Happy Birthday omni!
2024年7月27日(土)名古屋 KDハポン
GOMES THE HITMAN 25th anniversary
“25年目の週末” NAGOYA
出演:GOMES THE HITMAN
[山田稔明、堀越和子、高橋結子、須藤俊明]
18:30開場 19:00開演/前売4500円 当日5000円(D別)
*チケットはLivepocketにて発売中
https://t.livepocket.jp/e/gth25nagoya
K.D.ハポン(https://kdjapon.jimdofree.com/)
〒460-0012名古屋市中区千代田5丁目12-7
2024年7月28日(日)大阪 雲州堂
GOMES THE HITMAN 25th anniversary
“25年目の週末” OSAKA
出演:GOMES THE HITMAN
[山田稔明、堀越和子、高橋結子、須藤俊明]
17:30開場 18:00開演/前売4500円 当日5000円(D別)
*チケットはLivepocketにて発売中
https://t.livepocket.jp/e/gth25osaka
event space 雲州堂(http://www.iori-unshudo.com/)
〒530-0046 大阪市北区菅原町7-2