8月4本のライブのうち唯一の対バンイベントとなった下北沢440での公演。実は主催のTSUNTAさんにこのライブに誘っていただいたのは昨年12月だった。9ヶ月先の予定なんてわからないので「未来すぎますよ!」と返信したのだけど、結局9ヶ月はきちんと過ぎてこの日を迎えることになった。普段からソロライブばかりで2時間のステージを歌う僕にとって40分の内容のライブってとても難しい。何を歌ったらいいか見当もつかないのが正直なところ。
だからこの日はこの日だけの特別な選曲にしてみようと挑んだ。共演のTSUNTAさんも近藤智洋さんもピアノを弾くので僕もピアノで歌うパートを作ることを自分に課して、それも書き下ろし新曲にしようと3日間ピアノの練習と同時にソングライティングという試練。近藤さんとはいつもREMの話をするので、鎌倉に続いてREMのカバーを歌うことにして、それも初めて歌う曲「DRIVER 8」を選んだ。あ、そうだ、じゃあ8月唯一のエレキ弾き語りにしてみよう。
オープニングは「三日月のフープ」、エレキギターが似合う曲。2曲目にREM「DRIVER 8」、30年以上聴き続けてきた大好きな曲の歌詞の意味を今回初めて知った。REM「Nightswimming」へのオマージュ「月あかりのナイトスイミング」では自分の声がすーっと伸びて茶沢通りあたりまで飛んでいく感覚があった。この日はPAがとても気持ち良くなんのストレスもなく演奏に集中できました。
ピアノの前へ場所を移して、まず弾くのはジョン・レノン「Imagine」。これと「Let It Be」、レナード・コーエンの「ハレルヤ」はキーがCだから弾けるんです、僕は。そして書き下ろしの新曲、自分で作ればコピーしなくていいからという理由で作った曲は「八月のベルカント」というタイトルの歌になった。Cのキーというしばりがあったので普段より少し音域が高いのも背筋が伸びる感じでよかったかもしれない。千葉JAMにもピアノがあるからまた歌おうと思います。
TSUNTAさんの曲「風の通り道」をカバーしようと思い立ったのはライブ当日のお昼。大好きな歌だったのでギターでコードをとって数回練習して本番。リハーサルはTSUNTAさんがいないすきにやったのでサプライズ的に楽しんでいただけたかなと思う。僕自身もとても新鮮でした。人の歌を歌うときって自分だったら絶対書かない言葉を舌に乗せる感覚がとても不思議で面白い。リクエストのあった新曲「あいとわをん」、そして手拍子をもらいながらの「太陽と満月」で駆け抜けたステージでした。楽しかった。
近藤さんもTSUNTAさんも素晴らしい演奏でした。三者三様、それぞれの語り口があって、重ねたキャリアの分だけ説得力があって心に響く。また聴くことができた近藤さんのREM日本語カバー「世界の終わる日」、TSUNTAさんの本家「風の通り道」、感動しました。セッションはサザンオールスターズの「いとしのエリー」。TSUNTAさん的には夏だからサザンという理由だったらしいけど、僕はこの選曲のおかげで新曲の歌詞が書けた気がします。初めて本気で歌った「いとしのエリー」、とても爽快な気分でした。
終演後、物販とサインのときにママンへの労いをたくさん、プレゼントもたくさんいただき嬉しかったです。ありがとうございます。片付けの後しばらくTSUNTAさんと近藤さんといろいろ話せて楽しかった。近年対バンイベントに誘われることってとんと減りましたが、それが下北沢なのもいいし、なによりいろんな歌が聴けるのがいい。また誰か対バン誘ってくれないかな。
次の週末は埼玉県川越amistでお会いしましょう。