2024年09月18日

夜の科学 in 下北沢〜小箱のなかの音楽55(2024年9月15日 @ 下北沢 lete)【ライブ後記】

7月以来の下北沢レテ公演は席がすぐに埋まってしまったため昼の部を追加して入れ替え2部制になった。普通に同じ内容を2回やればいいわけだけど、普通はつまらない。だからカバーとセルフカバーだけで構成する昼の部にした。8月のライブでたくさんカバーを取り上げたので、そこにフォーカスした2時間を作ってみたいと思った。かといってカバーソングにメッセージがあるかというとそこまで大げさな意味はなくて、この1週間くらいで考えて思いついた順に並べていったという感じ。歌ってみたら気持ちよかった、とかそういう理由で。

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カバーしたいと思う曲はだいたい自分を今を形作った昔から好きな歌。ここ宇宙、日本、世田谷にあるレテでフィッシュマンズ「POKKA POKKA」からスタート。とても観念的な歌、初めて歌ってみた。サニーデイ・サービスの「サマー・ソルジャー」も学生時代の夏の想い出。スピッツを続けようと思ったところ脳裏に浮かんだのはGAOの声で、「サヨナラ」というヒット曲は1992年、僕が上京した年に発売されたものだった。

洋楽のカバーは少なめ。つい先日高校時代の英語の先生からメッセージが来て話してたときに「山田はU2好きやったなあ」という話題になって、高校1年のときに学校を休んで大阪まで観にいった来日公演を思い出した。「ONE」という曲は自分自身の「ONE」と呼応する曲。R.E.M.は今回「Find The River」、アルバムで聴いていると「Nightswimming」の次に流れてくる歌。カスタネッツ「夏の記憶」、HEATWAVE「トーキョー・シティ・ヒエラルキー」、森山直太朗「風になって」、全部好きな歌、シンプルな理由。あいみょんとカネコアヤノのカバーは以前にも取り上げたことがあるけれど、絶対自分に書けない歌を唇に乗せてみたいという興味がある。

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セルフカバーは少しこそばゆいが、坂本真綾さんの「セツナ」はもし自分自身がこの曲を世に出した世界線だったらとたまに考える。とても自分らしい歌。アニメのキャラクターソングCDに提供した「夏の日のジオラマ」はたくさん曲を書き溜めた時期のもので、推敲せずに書き散らした勢いがある。秋に共演する五十嵐くんのfishing with johnが素敵なカバーバージョンを演奏している電気グルーヴの「虹」、そして友だちになって10年のタカテツさんの「友よまた会おう」、そして本編最後はリクエストを受けて小沢健二の「LOVELY」で締めくくり。

アンコールでは久しぶりに始動するサトミツ&ザ・トイレッツ、久しぶりに歌ってみて「なんて良い曲」と唸った「答えはトイレのなか」、最後は空に向けて村田和人さんのために歌詞を書いた「Brand New Day/ Brand New Song」で盛り上がって終了。取り留めのない、抑揚の難しいセットリストだと思っていたけれど、ちゃんと物語ができあがった気が、する。とても楽しかったです。

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9月も折り返しなのにとにかく暑い日で、暑いというだけでくたびれてしまうほど。頭を切り替えて、体力を取り戻して夜の部へ。当たり前だけれど、全部自分の曲を歌う「夜の科学 in 下北沢」秋編。日が陰ってくるとずいぶん気温も落ち着いたけ。昼も夜も満員御礼で本当にありがたい。心から感謝。

1曲目は「どこへ向かうかを知らないならどの道を行っても同じこと」には「9月になると思い出すこと」というフレーズがあって、その思い出がなんなのかいつも考える(答えが浮かんだりまだ見ぬ未来だったりする)。「アップダイク追記」「夕暮れ田舎町」と25年前にリリースした初メジャー作を四半世紀越えて。「光と水の新しい関係」までが“秋”コーナー。心がぱっと晴れるような秋の風景に出会いたい。

中秋の名月を前に「harvest moon」から“月”コーナーへ。「三日月のフープ」「月あかりのナイトスイミング」「月あかりのラストワルツ」と続き、この日のワルツは「日向の猫」、ラララのコーラスから続くのは“猫”コーナー。「猫のいる暮らし」を久しぶりに歌ったのだけれど、これは猫の歌ではなくて猫と暮らす自分のことを歌った歌だった。チミのために作った「きみは三毛の子」、ママンの「シャーとニャーのはざまで」、そして千代田ニャンとなる会に贈った「ニャンとなるSONG」。

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この日も「glenville」は終わるのが寂しいくらい心地よくて日曜日の夕方の憂鬱を思ったけれど、翌日も祝日でお休みだったね。続く新曲群、「風合い」「あいとわをん」、そして「八月のベルカント」は小さなキーボードで。とても新鮮な気持ちで本編終了。アンコールでは改めて夏を送って秋を迎え入れるために「会えないかな」「遅れてきた青春」。最後は「セラヴィとレリビー」でおやすみなさい。長い一日だったけれど、とても心地良い疲れ。夜も遅くってみると、少しだけ秋の匂いがしました。

また次の季節にレテで会いましょう。

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Posted by monolog at 09:03│Comments(0)