2024年10月15日

ドラえもんの夢とうつつ

大学を卒業してバンドでデビューするまでの数年、僕は映像制作会社で働いていました。コンサートを収録したり、テレビの番組を作ったり、当時全盛を誇ったミュージックビデオを作ったりする仕事。僕は渋谷の会社からNHKへ出向して衛星放送の音楽番組でADをやることが多かった。僕がライブ配信を自分でやれるようになったのはもしかしたら多少はこの頃培ったノウハウのおかげかもしれません。

たしか1997年頃だったか、衛星放送の音楽プログラムで、NHKホールでの番組収録があって、ドラえもんがアジアでも大人気だということを紹介して、アジアから来たアイドルたちとドラえもんの着ぐるみたちが一緒に歌うという企画があって、キャラクターを演じる声優さんたちも声で出演することになった。前の日の仕込みから寝ないで働いてた僕はフラフラ疲労困憊していて、パンとコーヒーでなんとか体力回復を、とロビーの物陰に倒れ込むように身を潜めて休憩を取った(それか、隠れてサボってたのかもしれない)。

するとそこはパーティションで設られたドラえもんチームの控え室のすぐそばだったので、皆さんがおしゃべりする声がはっきりと聞こえてくるのだ。ドラえもんとのび太としずかちゃんにスネ夫にジャイアンたちが和やかに談笑している。「最近老眼で参っちゃうわ」とか、どこそこで食べた料理が絶品だったんだよ、とか、そういうなんていうことのない会話を、ドラえもんたちが。夢を見てるような気持ちで、もしかしたら少し居眠りもしたかもしれなくて、しかしハッと我に返った僕は「皆さん、まもなくリハーサル始まりますのでステージ側までお越しください」と控え室にお声をかけたのでした。

あれから四半世紀以上の長い時間が経っていて、都合よく美しく脚色されているかもしれないけれど、大山のぶ代さんがお亡くなりになったというニュースにふれて思い出した、僕のキラキラした記憶。

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Posted by monolog at 10:25│Comments(0)