オープニングは『memori』のアルバム曲順で3曲、アカペラで始まり「baby driver」「毎日のポートフォリオ」。千葉の湾岸ドライブに欠かせないBGMでした、というリクエストを受けて「光と水の関係」、その『weekend』から「何もない人」と続く。「思うことはいつも」は昨年末のリクエストライブでやりたかったけど選に漏れた歌。この日関東でも雪が降るかもという予報だったので「北風オーケストラ」がリストインしていました。「世紀末のコロンブス」も年末に練習して歌いたかった歌。「情熱スタンダード」もしみじみ響いた。


後半は「余韻」から始まる新曲コーナー。「レモンティーと手紙」の堀越ギターもだんだん熟れて余裕がでてきた。だいたい「レモンティー」でライブの音量がMAXになるので、緩急をつけてアコースティックな「coffee」へ。紅茶から珈琲へという流れ。アコーディオンをフィーチャーした「新しい朝のワルツ」も最初演奏を始めた頃は地味な歌だと思っていたのがどんどん変化してきた(初演は僕がマンドリンを弾いたのだった)。「ポリフォニー」はなんとなく派手な、力強い曲なのでセットリストの置き場所が難しい歌だけれど、無骨なライブハウスによく映えた。
そしてこの日のハイライトは僕が初夢のなかで聴いた歌をライブ前日に完成させた新曲。その今年最初の夢のなかで僕はなぜか必死で「imaginary(空想上の)」という言葉に韻を踏む歌詞を考え続けていた。そこになにか意味があるのだろう。その曲はちょっとギルバート・オサリバンの名曲に似ていたから「Alone Again(Naturally)」になぞらえて「夢の続き(Imaginary)」と名付けました。また歌います。「手と手、影と影」を聴いてファンになったけれどバンド名と曲名を忘れてしまってなんとライブ当日にライブハウスのスケジュール表を見て思い出した!という本当かよというリマインドでこの日のライブに駆けつけてくれた方がいらっしゃった。もうホントそれだけで千葉まで来てよかったと思う。


ライブの終盤を「魔法があれば」「houston」「ブックエンドのテーマ」で締めくくる。懐メロではなく最新オリジナルアルバムからの曲目なのが誇らしい。ANGAの客席からはヒューヒューとはやす声が聞こえてきた。これは関西に特有の雰囲気だったので、東京から少し離れた千葉でこの歓声を聞いてちょっと照れてしまう。もし今後もヒューヒューが続くならばそれ相応の対応をしなければいけないなと思いました。アンコールは「tsubomi」、最後は会場総立ちになって「雨の夜と月の光」、最高潮の盛り上がりで終演。千葉県内からたくさんお客さんが来てくれたことも嬉しかったです。もちろん東京からもどこからでも、関西からも、ありがとう。
終演後はANGA店長中台さんが昨年夢を実現して始めた小料理屋さん「あんがの台所」をお借りして打ち上げ&新年会。われわれはなんと日帰りせずに、千葉にホテルを取るという万全の準備をしてきたのでした。夜中遅くまで美味しいご飯とたくさんのお酒を飲んで、大して実のある話もせず、30年前くらいの思い出話やどうでもいい話とか。とてもGOMES THE HITMANらしい時間でした。千葉でライブするのが大好きになった。また来ます、千葉。
