
続いて「三日月のフープ」をアコースティックギターで。いつもエレクトリックに飛ばす曲を音量を抑えて演奏するのが新鮮。「pilgrim」をオリジナルキーで演奏するのも15年ぶりくらいかもしれなくて“熱唱”という感じ、エモい感じに。「ONE」も同様に弾き語りではキーを下げていたのを元のキーに戻して熱い演奏、それでもベースレス編成なのですべての音がはっきり伝わる感覚がありました。安宅くんはマンドリンからペダルスティール、上野くんはフルート、鍵盤ハーモニカ、さらにはピアノまで弾いてくれて、色彩豊かな音像。このメンバーで演奏する『home sweet home』楽曲が格別な感じがするのは15年前の山田稔明バンドの雰囲気を思い出すからか。「home sweet home」「glenville」「星降る街」「hanalee」とまったく迷いのない演奏ができました。
初夢のなかで書いた新曲、先週のGOMES THE HITMANでも演奏した「夢の続き(imaginary)」をこのメンバーで。これまで曲を書いたら「これはゴメス用」とか「この歌はソロっぽいな」とか自らレッテルを貼っていたのを今年はやめてみようと思ったのだ。そうするとアレンジも全然変わってきてとても興味深い。これからどうなっていくか楽しみ。「音楽は魔法?」はベースレスなことを忘れるくらいの陶酔。つい先日見学にいった神楽坂天窓の話から「月あかりのラストワルツ」、これも転調するところでフッとテンションが変わるのが楽しい。今宵のワルツは「予感」。イトケンさんは低音に特化したバスピアニカを吹いてくれた。安宅くんにはまたクラリネット吹いてほしい。


この日のライブのタイトル「この街はまるでーGrapful City Lights」のもとになった「光の葡萄」、「太陽と満月」では流麗なみんなのソロ回し、夢のなかの音楽シリーズ1つ目の「あいとわをん」もどんどんスタンダードナンバーみたいになっていく。本編最後は「風合い」。この曲を初めて演奏した上野くんが「イギリス感を感じる。弦楽四重奏と歌でやったらいいかもですね」と。それって「Yesterday」だよね。
アンコールは「きれいな言葉で」。安宅くんの3フィンガーの流麗なギターを背景に歌う気持ちよさ。40歳になったときに書いた歌を51歳になってもまだ試行錯誤しながら歌う。最後は急遽セットリストに加えた「ハミングバード」。この曲も15年ずっと歌ってきた。楽屋に戻って「ハミングバードはこの4人だけだと物足りないですね」とみんなで笑う。また近いうちに7人編成で大きな音を鳴らしましょう。とても有意義な夜でした。楽しかった。たくさんのご来場ありがとうございました。またグレープフルーツムーンには4月にお世話になります。
