一昨年から始めた早朝のウォーキングのルーティンは途切れることなく、季節が変わっても5時過ぎに僕は歩きに出かける。冬の間の楽しみはコンビニでホットカフェラテを買って飲むことだった。それこそ毎朝毎朝僕が「ホットラテのレギュラー」と店員さんに言うものだから、外国人の店員さんのひとり(彼の名前を仮名でジャミルと呼ぶ)は僕がお店に入ってくるだけですぐにラテのカップを出してくれるようになった。最初は恥ずかしかったんだけど、ジャミルの御厚意をきちんと受け止めようと思って僕もいつからか「ホットラテのレギュラー」というかわりに「ありがとう、サンキュー」とだけ言ってカップを受け取るようになった。多分ジャミルは僕に「ホットラテ」っていうあだ名を付けていると思うし、僕も実際「朝のホットラテの男」である自負はある。
日々、時は過ぎていく。だんだん暖かくなって季節はもう晩春を過ぎた。朝5時過ぎはまだ少しひんやりしてはいるが、ホットラテを飲むかどうか躊躇する日が出てくる。それでも僕が入店するとカップが出てくるから「ありがとう」と受け取ることになる。こないだはカップを持って小首をかしげ「どうする?」みたいなノンバーバルなやりとりがあったあと僕が頷いて購入の意思を示した。冬の間に温かいラテを飲むのは好きなんだけど、夏にアイスコーヒーを飲むのはちょっと違ってて、夏になると僕は水を持ち歩くので、アイスコーヒーやアイスラテを頼むことはなくなる。ジャミルは僕を見てホットラテのカップをいつまで差し出してくるだろうか。アイスにする?とか聞いてくれるだろうか。それとも水を持ち歩く僕は朝のコンビニに立ち寄らなくなるのだろうか。
季節は今、ホットとアイスのはざまにある。

Posted by monolog at 23:53│
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