
お昼の部、この日は朝雨が降っていたのがあがってどんどん気温が上昇。汗をかきながらの始まり。狭小なスペースにぎゅうぎゅうだからなおさら熱気が。窓の外を行き交う車や人の流れを眺めながら歌うのがとても新鮮。「吉祥寺ラプソディ」がとてもリアルに響いた。店主なおみさんがくるりのファンなので「ばらの花」をカバー。「シャーとニャーのはざまで」あたりからお客さんのコーラスの声がどんどん大きくなる。僕の声をかき消すくらいのコーラス。本編最後の「my favorite things」の大合唱はちょっと記憶に残る大事件だったかもしれない。みんな歌詞をばっちり憶えていて、まさにこれは僕が夢想した“フーテナニー”そのものだった。
お店で用意されたマフィンやお菓子も全部お昼の部で売り切れてしまった。ぜひ通常営業のときのヤマネコロッヂにも皆さんご来店いただきますように。昼の部に続いて夜の部も満員御礼。昼と夜とで雰囲気が違うのも面白かった。四半世紀前に梅田タワーレコードで働いていて、今は吉祥寺のカレー屋さんのお兄さんがライブを見にきてくれたのが事件だった。「光と水の関係」を一緒に歌ってくれて、こんな再会ってあるんだなあと不思議に思う。窓の外に人影が立って、お店の中を覗き込んでいる。ドラマーの森信行くん(もっくん)だった。そのままステージに入ってもらってタンバリンとシェーカーで「ばらの花」セッション。こんな風景、想像もしなかった。


生音で演奏しているとどんどん音を小さくしていきたくなる。ギターをギタレレに、さらにウクレレへ、と頼りない楽器にバトンしていく。ウクレレで歌った「hanalee」がとても自分にとって新しく響きました。作ったときのときめきが蘇るような。またここで生音でやりたいなと思った。ちょっと他にはないような特別感がありました。最後の曲「セラヴィとレリビー」でもリフレインのフレーズをみんなが大きな声で歌ってくれた。音源になってないのにすごいことだ。
朝から一日、たくさんのお弁当を作ってくれた店主なおみさんが一番頑張った。暑いお昼も、少し涼しくなった夜も、この日しか歌えない歌を聞いてもらえた気がします。椅子を貸してくださった吉祥寺の老舗カレー屋さん「まめ蔵」、慣れない手伝いのスタッフ、お弁当を行き渡らせるために回してくれた人、遠くから近くから観にきてくれた皆さんに心から感謝。素晴らしい一日でした。
