
9月のスターパインズカフェのアニバーサリー期間にお誘いを受けたバンド編成ワンマン。それが急遽レコ発になったり、CDが届かない事態にレコ発未遂になったりしてバタバタした数日を過ごしました。しばらく忘れられないだろうな…と思う。なにより前日のメンバー全員でのリハーサルの音の重なりが素晴らしくて、個人的にじんわりと感動していて、本番が楽しみでしょうがなかったステージ。
イトケンさんと五十嵐くんのリズム隊、安宅くん、近藤さんと僕の弦楽器3人、真里さんのキーボード、上野くんのフルート、7人編成の「pilgrim」でスタート。16年前にリリースされた音源に忠実に演奏するのが新鮮。この歌は今年僕のなかで生まれ変わった気がする。「glenville」「月あかりのナイトスイミング」「hanalee」と普段ならライブの中盤で演奏する曲を序盤に配したのも新鮮でした。


僕がアコギからエレキギターに持ち替えて「三日月のフープ」からのROCKパートの躍動感。「光の葡萄」ではミラーボールの光の美しさに思わず「わっ」と声が漏れてしまった。吉祥寺スターパインズカフェの28周年のお祝いに「吉祥寺ラプソディ」、この曲はいつだったか切りの良い数字だったSPCの周年のときに作った歌だった。時間は流れる。このメンバーで初めての「夢の続き(imaginary)」も新しい風合いが加わったように思います。この数日間は本当にバンドの合奏が楽しくて楽しくて、ずっと終わらないといいなと感じていました。
CDが間に合わなかったニャーアルバム『シャーとニャーのはざまで』からの演奏、再び上野くんが加わって「きみは三毛の子」では僕が鍵盤ハーモニカやアンデス(鍵盤付き笛)などを重ねて構築したものを7人で再現し、立体化させるという感覚。僕が歌詞を先に書き、それに近藤さんがメロディをつけてくれた「猫のふりをして」も音源のアレンジをさらに芳醇なかたちであらためて披露。この歌での近藤さんの歌唱が優しさと我慢強さと大人っぽさが共存していて僕は大好きです。さらにゲスト、カイヌシゆうさくくんがステージに。緊張していたと彼は言っていましたが楽しそうにしてくれて嬉しかった。「ニャンとなるSONG」はちよだニャンとなる会のために書いた歌、ニャンとなる会の皆さんいらっしゃってたのでどんな気持ちで聞いてくれたでしょうか。
ママンのために書いた「シャーとニャーのはざまで」もコツコツとひとりで作り上げた音源を、ステージ上8人で鳴らす喜びがすごかった。ゆうさくくんのギロ、上野くんの踊るフルートが効いていた。お客さんのコーラスも手拍子も本当に嬉しいし、ありがたかったです。バンドで演奏する「lucky star」の多幸感、個人的なこの日のハイライトでした。新作から「最後のお願い」も夜の科学バンドで演奏する初めての機会でした。近藤さんと安宅くんのコーラスが寄り添ってくれるのもよかったな。本編最後の「セラヴィとレリビー」を歌いながら早くバンドでの録音も始めないとと心から思ったのでした。


アンコールではメンバーをひとりずつ呼び込み。この日のドレスコードは「思い思いの猫」という直前に伝えた無茶振りだったのですが、みんなのなかのそれぞれの猫が表出していたように思います。個人的には白いシャツの下に茶色のTシャツを着て黒いパンツを履いて「三毛」を演出した上野くんが一番のツボでした。「太陽と満月」「ハミングバード」と続けて、最後はカイヌシゆうさくくんも呼び込んで「my favorite things」で大団円。レコ初未遂のなんともカッコのつかない夜でしたが、有機的な演奏が本当に楽しくて胸がずっと弾むような夜でした。
たくさんのご来場、温かい言葉をありがとうございます。次回は12月7日にフルメンバー7人で吉祥寺スターパインズカフェにて「夜の科学 vol.68」の開催を予定しています。