もしも自分が死んだら千の風とか夜空の星になるよりも透明な幽霊になりたい、と思う。だから幽霊の存在もあるべきものとして普通に受け止めたい。ママンがいなくなって明らかにポチ実が急にフッと視線を凝らして虚空を見つめることが増えた。毎晩のことだ。それまでぼんやりとあくびをしたり惰眠をむさぼっているのが、突然目を大きく開けて見つめる先はママンが寝ていた場所や夜になるとトトンとママンが足音を立てて降りてきていた階段だったりする。
だから、僕は普通に「あ、ママンだ」と思うことにして、いかにも当たり前みたいに「ママン」と名前を呼んでみる。チミには何かが見えるのだろう。それか、確かな気配かなにかを感じるのかもしれない。僕もその感覚に乗ってみる。透明な幽霊になったママンは昼間はきっと好き勝手に自由に外を出歩いていて、夜になったらここに帰ってくるのだろう。
ママンの四十九日は3月31日らしい。キリがいい。4月1日から新しい季節ということにしようと思う。

*近藤研二さんがママンが亡くなった夜に撮ってくれたチミの写真
Posted by monolog at 23:19│
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