2026年03月11日

シャーとニャーのはざまで|アディショナルタイムとエンジェルタイム

ママンが亡くなって一ヶ月が経って、今日は初めての月命日ということになる。やっぱりママンの不在がさびしくて、後悔も多いし、いろいろ思い出すこともあって冷静に振り返るにはまだまだ時間がかかるけれど、ライブでのMCなんかでは少しずつママンの話をできるようになってきました。

12月の最後の週から具合が悪くなったママンは、2月に入ると右足が動かなくなって寝たきりで過ごすようになった。それでも水を飲みたいときやトイレのときは不自由な足をいとわずしっかり歩いて偉かった。この時間があとどのくらい続くのか、何ヶ月?何週間?何日?毎日いつも予期せぬ何かが起きて、人間も猫も病気に大きく翻弄される。電気毛布の上で添い寝をしたり腕の中に抱いて一緒に横になったりしたのはほんの数日くらいだったか、ママンはのどをゴロゴロ鳴らして僕に付き合ってくれたけれど、本当の気持ちはどうだっただろうか。彼女のプライドを思うと複雑な気持ちにもなる。

朝一番に動物病院に電話して先生に相談することが何度もあった。最後に病院に行ったとき「脈拍も遅くなって、体温も下がっている。そろそろ覚悟を」と告げられた。それから帰宅して、思い立って、ママンを庭に出して思いのままにさせた。ママンが10年過ごした庭。寝たきりだったママンが力強く歩き始めてびっくりして、少し離れて後を追った。いつもトイレにしていた場所の土を掻いておしっこをした。とても気持ちよさそうだった。どこにそんな力が残っていたのか、2日前に降った雪が残る庭をさらにどんどん歩くママン。目に輝きが灯ったように見えたし、ママンはすごくかっこよかった。亡くなる前の日の、夕方のこと。

闘病中の動物が最期の数日から旅立ちの直前、一時的に元気を取り戻したように見えたり、食事をしたり、飼い主に甘えたりする現象のことを「エンジェルタイム(Angel Time)」と呼ぶらしい。別名「回光返照」や「中治り現象」。天使の時間、とは個人的には少し夢見がちで感傷的すぎる気もするので他の言い方を考えてみたいけど(思いつかなかったけどね)、思い返せば先代猫ポチも旅立つ前にしっぽをピンと立ててしゃなりしゃなりと歩きニャアンと鳴いて僕を驚かせたことがあって、あれも確かにエンジェルタイムだった。ママンがいなくなって1ヶ月、どうしてもまだ虚空を眺めたりぼんやりと物思いに耽ってしまったりするけれど、最期のエンジェルタイムのママンの姿を僕はずっと憶えている。きっと忘れない。そしてシャーとニャーのはざまで彼女が悪魔か天使かどっちだったのかと考えるとき、ママンはやっぱり天使だった、と思う。空を見て、そう思うのだ。

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Posted by monolog at 15:25│Comments(5)
この記事へのコメント
エンジェルタイム、それが即ちアディショナルタイムなのではないでしょうか。
Posted by ニケ at 2026年03月11日 16:44
その時までママンのママンたる矜持✨ステキ😌✨
Posted by かんゆき at 2026年03月11日 18:32
ママン。最期にお庭を歩く事ができたんですね。
山田さんに優しくしてもらえてよかったね。
亡くなる前の時間、大好きな場所で大好きな人とチミちゃんと過ごせてよかったね。
みんなママンが大好きだったよ。
可愛いシャーを見せてくれてありがとね。
Posted by まる at 2026年03月11日 21:49
ママンちゃんのエンジェルタイム期の様子を教えていただきありがとうございます
読む度に涙が溢れて悲しくてどうしようもない喪失感から抜け出せないでいます
自分の心がこんなにママンちゃんで一杯でした
本当に魅力的で可愛らしい猫ちゃんでした🥹
Posted by ケーチャン at 2026年03月12日 12:28
Spotifyで何度でも再生できるニャーアルバム
『シャーとニャーのはざまで』を画像を見ながら聴いてます

ママンがバリバリのシャーを披露してくれる
"シャーとニャーのはざまで"

チミちゃんとお庭でまったり並ぶ
"ニャンとなるソングソング"

そして、ママンお気に入りネズミ玩具のカシャカシャ音がエンディングにこっそり忍ばせてある"最後のお願い"

今はまた涙腺崩壊するので、一周忌の頃にでもサブスク動画の長編で、蔵出し映像のお裾分け、形見分けみたいにママンを偲べたらと、世界に広がるママンのいちファンとして思っています。
ママンの若母時代や、メゾンからパートへ出勤した姿、ガブリンチョ刻印も、振り返って大丈夫な時期が来たら……というリクエストです。

ママンが幼い娘チミちゃんを託した信頼の家。中で暮らしてみると、夜ごと瞳を爛々と輝かせて遊ぶ時間もあって、お家内に居ると安全で楽しくて嬉しい!
お転婆娘時代に、冒険して駆け回った地域の中で、"見つけた最高の場所"で寛いで、大きい猫さん(トシアキさん)の横で、赤ちゃんの頃以来のぬくもりに、痛みも忘れて安心してゴロゴロ喉を鳴らしちゃう優しい添い寝時間だったのではないでしょうか

猫は九生とか、7回生きる、と聞きますので、今はお着替えの毛皮柄で悩みつつ「天使も悪魔もどちらもあたくしですのよ。シャーッ!」っと、また降臨なさるかもしれませんね
Posted by ねずみカシャ at 2026年03月15日 11:25