
トップバッターは僕。井の頭公園の桜のつぼみはまだ硬いけれど木々の写真を撮ると薄っすらと桃色の空気をまとっているのが不思議で、それが春の兆し、ということで「予感」でスタート。GOMES THE HITMANが初めて迎えるプロデューサーが高野さんだったという世界線もあった?という話から杉真理さんと作った「午後の窓から」、奇しくもこの日は杉さんの72回目のお誕生日でした(杉さんはうお座O型)。高野さんに聴いてもらいたくて新曲「音楽は魔法?」、ルーシーアイコちゃんと切々と猫を見送る話をした流れから「最後のお願い」を。「lucky star」「my favorite things」と客席の皆さんみんなが手拍子で盛り上げてくれた。この日は客席からの波動、バイブレーションがとても心地よかったです。
僕の演奏が終わってルーシーのふたりを呼び込んで1曲セッション。機材の転換なくシームレスに進行していきます。GOMES THE HITMANの「拍手手拍子」(2001年)を選んでくれたのはアイコちゃんで、僕はこの曲を四半世紀前GAPCツアーで彼女が歌った歌声を鮮明に覚えていました。時が経ってまた一緒に歌えること、感慨深い。


ルーシーのステージ、ママンに捧げられた歌に感動。昔から知っている歌も新しい曲も石坂さんとアイコちゃんのふたりだけでの演奏っていうのが新鮮で、しかしやっぱり二人が “advantage Lucyの核心” っていう感じがした。MCで語られた高野さんのエピソード、オープンカーの話なんかは僕も四半世紀に聞いたことがあったので「なんにも憶えてない」っていう高野さんの返事も含めて面白かった。高野さんが加わっての「めまい」はとても贅沢だったな。
高野さんの演奏も素晴らしかった。自作エレキギター(ここで読めます)から繰り出される妙技よ。冬の終わり、春の始まりに「All Over, Starting Over」が聴けて嬉しかった。白眉は米津玄師のカバー「さよーならまたいつか」、僕も朝ドラ「虎に翼」で毎朝聴いて耳に馴染んだ歌だけどとにかく複雑なコード進行。それを数ヶ月かけて練習して自己解釈して歌う高野さんの研究者気質がすごい。高野さんは飽くなきトルバドールだ、といつも思う。
アンコールはまず高野さんと僕で「太陽と満月」、ギターソロで火がついた。10年前のレコーディング、高野さんは持ってきていたメインギターのFender ストラトではなく、当時僕が買ったばっかりの1960年代製“チープ”ヴィンテージ Harmony Stratotoneを面白がって弾いたのだ、CDで聴けるあのギターソロを。


そしてルーシーのふたりも加わって全員で「夢の中で会えるでしょう」。お客さんのコーラスの声、会場の多幸感がすごかったですね。この曲も高野さんのギターソロが熱かった。まさに大団円という感じでした。お昼の会場入りからずっと、片付けてみんなでお弁当を食べるまで、すべての時間が楽しくて心地よかったです。楽屋でのおしゃべりも機材の話から健康についてのあれこれまで。花粉症デビューした僕、例年通り鼻ノドつらい思いをしているアイコちゃんに高野先輩は症状を軽くすると話題のカルダモンの種をライブ後すぐに送ってくれました。
カルダモンをポリポリ噛みながら、あの日のことを思い返しながら、この後記を書いています。またこのメンバーみんなで集まれたらいいな。3時間座りっぱなしだった皆さんのおしり、立ちっぱなしだった皆さんの足、おつかれさまでした。たくさんのご来場に感謝を。
