前回ポチのときと一番違ったのは(前回も嫌な思いのひとつもなかったです)火葬が終わった後にママンのお骨を担当の方が本当に丁寧に拾い上げて、恐竜の化石を再現するみたいな感じで、姿を再現するように並べてくれたこと。小さな頭蓋骨のわりに目玉の穴がとても大きくて、そりゃあれだけまんまるで大きな瞳の持ち主だよな、と納得する。僕を噛んだ犬歯も上あごにきちんと残っていました。喉仏の部分はお祈りをする人のようで、彫刻作品みたいに神々しくて、これが背骨、肋骨と説明してくださる。たくさんの細い骨で構成されるのは手だそうだ。前足ひとつでこれだけの骨のパーツでできています、とのこと。特に美しかったのはすらっとした尻尾、本当に感動するくらいに長くて、その断面は六角形の星の形をしていて、僕は携帯用に、とそのひと節を拾い上げてポケットに忍ばせる。変な話だけど、骨を拾う時、それはものすごい癒やしの時間でした。
ママンの骨壺はリビングに置いてあって、写真と花、御香とかママンが好きだったおやつで囲まれているのだけど、つい何日か前に「え?」と二度見した。供えたカリカリが明らかに減っているのだ。「き、来たな、ママン」と僕は宙空を見つめる。透明な幽霊、大好きだったカリカリッチをペロッといったね。僕はまた新しくお皿をおやつで満たした。お皿のまわりには食べ散らかしが残っていて、あれ?ママンはいつもきれいにお皿の上でご飯を食べてたのにな、と思い返していたとき、ふと視線を感じて振り返るとそこにいたのはチミだった。透明な幽霊か、食いしん坊の誰かのしわざか。
今のところまだ、幽霊のしわざだと僕は思っている。
