それでもやっぱり目の病院っていうのは、目に直接触れられるのでゾクゾクするような緊張感はあって、いざレーザー治療の手術室に通されると鼓動が少し早くなる。僕が通っている眼科は施術するときにクラシックを流してくれる。レーザーされるのはもうこれで4度目くらい、今日のBGMはパッヘルベルの「Canon in D Major」であった。ものの3分くらいだろうか、バチバチと音を立ててレーザーが僕の目のなかの何かをどうにかしている。「混濁した水晶体嚢をレーザーによって切開・切除し、再び眼内へ光を取り込めるようにすることで、視機能を改善させる」というのが今回の治療の内容だけれど、なんの痛みもなくあっという間に施術は終了した。
瞳孔を開く目薬をさしていて世界がハレーションを起こしているので病院から外へ出てすぐに「見える!!」っていう驚きのようなものはないのだけど、自宅に帰って少し目を休めて夕方の柔らかな光に揺れる木々を眺めると視界の明るさや透明さが全然違う。ああ、目がちゃんと見える…と静かに感動した。翌朝のウォーキングで眺める風景も前日までのそれと全然違った。頭の中で「I can see Clearly Now」という歌がHot House Flowersのバージョンで流れる。はっきりと見える、雨はもう上がった、と。
まどろむ夢からさめたみたいな。
