何かを作るために最初に出かける場所、それが夜寝る以外一日のほぼすべてを渋谷で過ごしていた96〜99年の自分にとっての東急ハンズだった。仕事をやめたり、ミュージシャンになったり、生活の拠点が変わったり、ホームセンターとかIKEAとかニトリとかいろんなものができて、だんだん東急ハンズに出かけることが少なくなった。
思い立ってこないだの土曜日、東急ハンズへ行ってみた。いつ以来か思い出せない。10年は経ってないと思うがここ数年では多分初めてだと思う。1つの階層が螺旋状にA・B・Cとわかれる独特のスキップフロア構造、昔はもっとピカピカでキラキラしていた気がするけれど、ちゃんと経年していて蛍光灯のあかりのなかで時代遅れになった印象も受けた。レジスタッフの皆さんはみんな英語がしゃべれるみたいだ。とにかくインバウンドのお客さんが多くて、商品ラインナップも各フロアにお土産用に喜ばれそうなものが多かった。週末のハンズは四半世紀前と同じように混雑していた。
僕は色鉛筆を一本だけ買うために長い長いお会計の列に並んで、賑やかなフロアを眺める。この場所がなくなってまた新しい何かが塗り替えて街を変えていくのだ。季節の記憶もどんどん薄れていくのだろうか。何かに描きとめておけたなら。
