「ステージ上で水を飲むときはお客さんにペットボトルの底を向けて飲んだらダメ」っていうのもボスの教えで、やっぱり今でも演奏の合間に水を飲むときは横を向くし、なんなら気づくと水を一滴も飲まないで2時間歌い通すこともざらだ。「会場入りするときと同じ格好で本番のステージに上がるな」っていう指南もあった。着るものを意識しろということだけれど、これもふと気づくといつの間にか自分のなかで不動の習慣になっていて、普段着ているTシャツで会場入りして、本番前に別の普段着ているTシャツに着替えて、普段着から普段着へ、これ着替える意味あるの?ってひとりで笑ってしまうことも多い。こないだの下北沢、ライブ前に入ったカフェのトイレでTシャツを着替えながら昔のことを思い出して、本番中に水を飲もうとしたときにまた思い出した。そう、昔からそういうことになっている。
池袋に行くと新しい流行りのショップとか美味しそうな食べ物を出すお店がたくさんあるけれど、その行列には並ばずに福しんという豊島区に本社を構える定食屋でラーメンを食べることになっている。大学が巣鴨にあって、僕は西武池袋線沿線に住んでいて、お金のない学生には500円でお腹いっぱいになるご飯屋さんは貴重だった。福しんにはとてもお世話になったから、池袋にいくと胃袋がそのことを思い出す。あれからもう34年?ついこないだ池袋に立ち寄ったときもこのラーメンを食べた。昔からそういうことになっているのである。
