2010年09月27日

僕らが作ったインディアン住居

静岡からは日帰りで夜中過ぎに東京に戻りました。ライブの後は散らかっていた機材が部屋からなくなってすっきりするのでいつも模様替えをしたくなる。いい感じのテーブルが欲しくなって古道具屋を車でまわっていたら隣町の公園に見慣れたインディアンの移動式テント「ティピー」が建っているのが目に入った。3年前にNPOのスタッフの方や子供たちと一生懸命作ったティピーを久しぶりに目撃したのです(そのあたりのことはここにまとまっています)。

車をUターンさせて公園に入りティピーに近づいていくとNPOのスタッフの方やお母さんたちが「わあ!お久しぶりー!」と声をあげて喜んでくれた。この人たちはこれまでもライブに来てくれたりCDを買ってくれたり(僕と縁があるということで加古川チャッツワースに訪れてくれたりも)していたのですが、皆さんのニコニコした顔を見ることができてとても嬉しかった。

思えば外国の資料から設計図を起こしたり帆布を何ヶ月にも渡って手縫いしたり建て方が難しかったりしていろんなトライをしたティピー作りだったので、焚き火にくすんで年季の入った色になった姿を見てちょっと感動。なかを覗くと誰かが炭をふーふー吹いて火を起こしながら「こんにちはー」と声をかけてくれた。

別れ際、「子供たちが遊べるようにと作ったティピーだけど、実は自分たちの月一回の拠り所のために作ったんじゃないかって最近思ってきたのよ」と、僕が「歓びの歌」を歌う前にMCでしゃべるようなことをお母さんが言ったのが印象的でした。

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2010年02月02日

プアホワイト、モホーク、そしてフローズン・リバー

frozenriverラジオから「ギリギリの経済状況に追い込まれ不法移民の密入国という危険な仕事に手を染ながら“母親愛”で苦境を乗り越えてゆく白人女性とモホーク族女性が繰り広げる感動ドラマ」というストーリーの映画があると聞いて、「そんな映画オレ以外に誰が観るのかよ」という思いで出かけた映画の日。「フローズン・リバー」という映画を観ました(お客さんは結構入っていました)。

その名の通り真冬の凍ったセントローレンス川を車で行き来する真っ白な映像がそのままこの日の東京の降雪と相まって印象的でした。先住民の保留地の様子や現代に生きるモホークの人たちの暮らしやホワイトトラッシュの貧困とか、アメリカの光と影、その“影”の部分に丁寧にフォーカスした優しい悲しい映画。演者もスタッフもすべてネイティブ・アメリカンで制作された「スモーク・シグナルズ」という映画に通じる空気感がある。

女性監督の感性の賜物か、とにかく繊細に揺れ動く心の機微のようなものがスクリーンから伝わってきて、僕はずっと体を前のめりにして2時間魅入ってしまいました。年頭の「アバター」をきっかけに、今年はインディアン熱再燃の年と目標をたてたのだが、早くも胸を打つ素晴らしい作品に出会ってしまった、という感じです。今は渋谷でしか観られませんが春に向け全国ロードショーとのこと。

映画『フローズン・リバー』  
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2010年01月28日

北山耕平トークショー「地球に生きる普通の人」になるには

kitayama青山ブックセンターにて「地球のレッスン」刊行にあわせた北山耕平さんのトークショーに行ってきた。この本は'80年代に書かれ'00年代に復刊された「自然のレッスン」の続編的な、装丁の気持ちいい本。

10年前に「ローリングサンダー メディスン・パワーの探究 」という分厚い本を読んで数年たって突然アメリカン・インディアンに魅了されNPO団体の方たちとティピー作りまでやった僕にとって北山耕平さんのサイトや書物は個人的なネイティブ探求/研究の指針のようなものである。

北山さんを生で見るのもお話を聞くのも初めてで少し緊張したけれども、とても穏やかな時間が流れる90分だった。インディアンの話も縄文人の話も並列して世界を俯瞰する視線は冷静なようで確かな熱をはらんでいる、という感じ。“スピリチュアル”な話は極力避けられているような気がしたが、それも僕には心地良かった。

こないだライブをやったSALON by marbletronで北山さんは数回にわたるトークライブを行っている(関連書物がマーブルブックスから出ている)。僕はことごとくタイミングがあわずに参加できなかったのだけど、SALON担当のKさんに聞くと「とても刺激と影響を受けた」と。「クレジットカードを持つと一生働いて暮らさないといけない」という話に感化されてクレジットカードを持たない生活を画策中(未だできず)だそう。僕は僕で北山さんの本を読んで以来「買い物は満腹なときにいく」ということをできる限り実践している(買いすぎが減るの)。

サインをいただくときに言葉を交わした北山さんはインディアンのチーフみたいに穏やかで、僕の名前に添えて“Walk in Peace”と書いてくれました。理想と現実はある程度乖離しつづけるけれども夢を見る力を継続するのは日々の暮らしのなかでも大切なことだ、と思いました。  
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2008年12月30日

冬のティピーと焚き火

teepee0812_12008年のティピーおさめ。今年はソロアルバム制作のバタバタとかライブとスケジュールがかぶってしまったりで、なかなか顔を出せなかったのですが、ちょうど1年前くらいに縫い上がった手作りのティピーは汚れやほつれが良い感じの味付けになって貫禄すらただよう住居になっていました。

少し遅れて行くともうすでにティピーは青空を背景に立ち上がっていて、久しぶりの僕をスタッフの皆さんが手を振って迎えてくれた。おいしい鶏鍋とか純米酒、よもぎ茶、焼き芋に焼きリンゴと豪華な饗宴、忘年会のようでした。隣町から越境してきている僕に優しくしてくれて嬉しい。

内部に焚き火を抱えたティピーからたなびく煙を初めて見た。すごくティピーっぽい風景だ。子供たちが楽しそうに出たり入ったり焚き火の薪を興味深そうにいじくったりしていて、自分が小さい頃にゴミを庭で燃やしたり落ち葉焚きをするときにドキドキした感覚を思い出した。

東京では届け出なしに焚き火やゴミを燃やすことは禁止されているらしいから(それでも最近よく真夜中に散歩してると焚き火みたいな匂いがするのはなぜだろう)奔放な火にふれる良い機会だっただろうな。


たっぷり薫製のようにティピーのなかで燻されて服から煙の匂いが消えない一日でした。



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2008年11月25日

冬のティピー

tipee1tipee2最近レコーディングや諸作業のためなかなか顔を出せないでいる「ティピーを作る集い」だけれども(今回も都合つかず)、毎回スタッフの方から携帯で撮った写真と短いメッセージが送られてくる。

このごろはティピーの中で火を焚いてお茶を飲んだりしているらしくて「ゴザを敷いていたら寝ころんでいる子も。出たり入ったりの男の子は『ただいまー』と帰ってきました。陽の当たるテントの中はとてもよい感じです」という報告がありました。

ちょうど1年前くらいにテント布を切ったり縫ったりして作り始めた頃は子供たちの参加はとても少なかったけれども、完成した三角錐のティピーは彼らを惹き付けてやまないのでしょう。日が暮れた後の明かりの灯ったティピーは幻想的なんだろうな。  
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2008年11月09日

One Who Helps People Throughout the Land

journeyオバマ次期大統領は歴代のアメリカの大統領のなかで、アメリカ・インディアンの部族の一員として迎え入れられる初めての人物となるらしい。クロー族が彼に与えたインディアンネームは「大地のいたるところで人々を助ける男(One Who Helps People Throughout the Land)」だそうだ。

こないだミックスが終了した「ユートピア」という曲のなかに「僕の名前は“あくびする猫”/羽飾りの占い師が僕をそう呼ぶんだ」という歌詞がある。一緒に作業していた人は「“羽飾りの占い師”とはえらく乙女チックな」と思っていたらしいが、僕が熱くインディアンの話をしてそのフレーズに触れたときに初めて真意を知り、歌詞カードにインディアンの挿絵かなにかを入れたほうがいい、伝わりやすくなる、と僕にアドバイスをくれた。

自分が当然のように使う言葉は相手にとって未開の領分だったりするから言葉はもっと大切にしないといけない。目と目で通じ合うことがあっても僕らのコミュニケーションは言葉に帰結することのほうが圧倒的に多い。  
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2008年07月28日

ティピを作る8

5月ぶり、久しぶりのティピ。さすがに夏の暑さの中の作業はは堪えるがティピの中はひんやりしていました。朝に穫り立てのトウモロコシとトマトとキュウリをいただく。美味しかった。

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ティピを作る8

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2008年06月22日

ティピー、雨に降られる

firewigwam今日はティピを立てる日だったのだが締め切りの迫った録音作業が終わらないせいで一歩も外へ出れなかったのだ。しかし雨よけのテントのなかで火を焚いている写真とともに昨晩からの止まない雨のせいでティピを立てるのは断念したとのティピチームからの報告。梅雨が終わればまた立つだろう。

福岡の糸島半島にあるキャデラックランチにティピがあるぜ、と地元の友だちが教えてくれた。海辺の風景が気持ち良さそう。

最近古いアメリカを写した写真集のなかで見かけたティピ型のモーテル、インターネットで調べたらまだ現役だった。カリフォルニアにあるWIGWAM MOTEL、本物を見たら興奮するだろうなあと思う。  
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2008年06月05日

最近のインディアン

ind_goodsindT物欲にかられ吉祥寺で散財。ホピの“サークル・オブ・ライフ”的デザインが微妙なユーズドTシャツ、僕が買わなきゃ他に誰が、と購入。

道ばたで古本市をやっていて、昔の西部劇パンフを3種ピックアップ。かなりの年代物だが色がきれいで見ていて気分がいい。

大阪の雑貨屋で見つけた『Nagawicka』というCDはインディアンが主人公の音楽劇(全編フランス語)、名古屋の開演前のBGMに使いました。京都のファンの方からもらったインディアンのスタンプはウォーボンネットの横顔が立派。

結婚パーティーでいただいた「マニトウのことば」というのはドイツ製のインディアン的カードゲーム。ひとりではできないゲーム。

果てのないインディアン探求の旅は続きます。  
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2008年05月22日

スマーフのインディアン

schleich久しぶりにゆっくり吉祥寺を1万歩以上歩いて楽しかった。俗に“近鉄裏”といわれる雑貨屋が立ち並ぶあたりは時間を忘れ探し物に溺れるバミューダ・トライアングルのよう。

去年の秋から参加してきたティピ作りですが、僕たちがちくちく縫って形になったティピが千葉に出張するらしいです。6月7日と8日、エコ・フェスタ in 千葉の竹フェスティバル。本来インディアンたちが支柱に松の木を使うところを西東京のティピは竹の木で代用しているのです。

僕は6月7日下北沢でライブなので千葉まで行くのは難しいかと思いますが、興味のある方や近隣の方ぜひチェックしてみてください。シュライヒのティピ、手に入れたい。


  
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2008年05月16日

Tシャツの季節

ちょっと前にものすごく微妙なデザインのインディアンモチーフのスウェット(写真左)の古着を安価で見つけて、「ああ、でもこれ僕が救わなかったら誰も買わずに廃棄されるかもなああ」と買ってしまったのだ。

サンフランシスコとワシントンDCから同時にスタートしてひたすら歩くロンゲスト・ウォークというイベントのTシャツは、これもオーガニック・コットン(最近多い。オーガニック・コットン)で肌によく馴染み、新品なのにもう既にかなり古着の味わいがありました。

そして昨日、とてもクールなインディアンT(写真右)を見つけて迷うことなく購入。「Apple Valley」というのはアメリカに実在する地名、カリフォルニアとミネソタに同名の街がある。「POW WOW DAYS」とあるからネイティヴのお祭りがあったときに作られたTシャツだろうな。こうやって彼の地を想像するのが楽しい。


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2008年05月08日

ティピを作る7

1月以来、ことごとく雪や雨に行く手を阻まれていたティピ作りでしたが、大型連休最後の日、半袖でも暑いくらいの広場でたくさんの大人の手でついに組み上がった。インディアンたちはこれを女性数人であっという間に組み立てるらしいから大したものだ。

あっちから「ティピ」こっちから「ティピ」、この日東京郊外のこの場所には世界一たくさんの「ティピ」という言葉が飛び交っていたのではないでしょうか。ティピが立った途端に子供たちが駆け出してその中に飛び込んだ。いい風景でした。

偶然のきっかけで飛び込みで参加した隣町の僕をあたたかく迎えてくれたスタッフの皆さんに感謝。

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2008年05月06日

ティピが立った!

去年の冬から参加してきたティピ作り。今日ちゃんと組み上がりました。

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2008年05月02日

都会のティピ

渋谷にティピ発見。小さいほうは6800円で大きいのが15800円。

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2008年04月18日

猫の手と手

_SL500_AA240_水曜日、昼から映像制作チームナナ色の撮影と歌の練習。5月に発売されるDVDで僕は音楽制作で関わらせてもらっているのですが、その発売記念イベントでも音楽を担当。5月3日に渋谷アップリンクで開催されます。詳細が分かったらお知らせします。

2004年の作品『ドリームキーパー』という映画を観た。“アメリカ先住民に伝わる幾多の伝説を、最新のVFXを駆使して圧倒的なスケールで魅せるファンタジーアドベンチャー。ネイティブアメリカンの老人が、孫とPOWWOWの式典のために旅に出る。道中、老人は孫にさまざまな古代の神話を話して聞かせる”という話。ティピだのバッファローだのインディアンだらけの内容で、インディアン好きにはマストな作品だなと思いました。

猫も元気にしています。口を開けて寝てるかと思うと次の瞬間アクロバティックな格好をして懸命に毛繕いをしたりばたばたと忙しそうにしている。居場所を点々とするポチを見ているといかに今の季節が寒暖せめぎあう時期かということに気づかされる。


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2008年03月29日

フィエスタ

spring8spring7街のいたるところで春を祝う催事が。スプリングフェア、スプリングフェスタ。

下北沢で立ち寄った本屋で買った本、ナンシー・ウッド「今日という日は贈りもの」の冒頭に月についての伝承話が書いてあって、それがとても美しくてイマジネーションをくすぐられました。


昔、父なる空(ファーザースカイ)は母なる大地(マザーアース)をその両腕に抱いて彼女と交わり、月が生まれた。月が彼方の星々の間でだんだんに大きくなると、太陽の犬たちが代わる代わる月に噛み付いた。月がこんな形になるまでパクッパクッと彼らは食べた。

ぼろぼろの月はそれでも空で明るく輝き続けた。すべての二本足と四本足の創造物たちが広場で輪になって踊り、見上げると月がだんだん大きくなっていくではないか!月は大きく大きくなって、ついにまんまるの幸せ顔になった。しかしまたしても太陽の犬たちが月を噛んでは少しずつ削りとった。こんな形になるまで。

そのとき以来二本足と四本足の創造物たちは月の満ち欠けに慣れた。ときどき太陽の犬たちが月に噛みつき、父なる太陽がその丸い顔に黒い影を投げかけるのに慣れて、これらの月に12の名前をつけることに決めた。




という話。真っ暗な夜の空の下でおばあちゃんから昔話を聞くような感じに心に染み込んできて、頭の中に絵が浮かんでくる。信じられないようなニュースややりきれない気分に苛まれる僕ら現代人が求めているのはこういう単純でシンプルな物語なのではないかと思いました。ゆっくり読み進めていこうと思う。
  
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2008年03月20日

ティ=住む ピ=使う

ティピ今日は久々のティピ作りの日だったのだが(前回は大雪で中止だった)夜からのやまない雨で中止に。ティピを作りに(縫いに)いくと、黙々と作業するうちに気持ちが穏やかになって心に心地いい風が吹くような爽快感があってリフレッシュできるのだがまた作業延期で残念だ。

ネットで見つけたティピー、子供サイズ。猫もいけるか。「頭かくして云々」でよければ僕らでも。  
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2008年03月19日

マイノリティの視点

オグララロバート・レッドフォード製作による、アメリカ先住民の男性の冤罪事件をもとに現代アメリカの闇を描くドキュメンタリー映画「インシデント・アット・オグララ」を観た。

“レオナルド・ペナルティエはアメリカの先住民であり、2人のFBIを射殺したというアメリカ合衆国政府のでっち上げた偽りの罪で2回に渡る終身刑という有罪判決を宣告された・・・”

1970年にオグララ・スー族の住む居留地で起きたオグララ事件、当時の映像や本人たちのインタビューで構成され、途中で息を飲むほど美しい大自然やバッファローの姿がインサートされる。アメリカ国家による歴史的なインディアン虐殺の地となった“ウーンデッド・ニー”も紹介されて資料的に興味深いシーンもたくさんあった。

アメリカでのインディアンの窮地と中国でのチベットの立場を強く意識しながら観ることになった。重苦しい80分間でした。  
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2008年01月28日

ティピを作る6

tipi6_1お昼からティピ作り。寒さは厳しいが天気はいい日曜日。今日も一日黙々と裁縫仕事です。それぞれの人に分担があって少人数でやっているがゆえの効率性の良さを感じました。針を一本曲げてしまった。

それぞれが図面を見ながら「ふむふむ」と納得しながら自分のパートをやっていく様子は音楽家が譜面を見ながら自分の楽器が奏でる役割を確認しているように見えなくもない。何をしているのかわからないまま闇雲に作業しているのとそうでないのとでは天と地の差だ。

果たして4時間近い作業の結果、縫うべきところは全部終了。だいたいのテント幕の形ができあがったことになります。これからは絵付けとかペイントとか見た目が派手な作業になるでしょう。作業工程は大幅に遅れているけど、それだけティピをゼロから作るのは大変だということです。

帰宅後、予期せずテレビで「ダンス・ウィズ・ウルヴス」が放映されていてたくさんのティピが草原を埋め尽くす映像が。結局最後まで見入ってしまった。何度観ても荘厳で感動的な映画だ。

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2008年01月14日

ティピを作る5

tipi5_2tipi5_12008年もティピを作りに通います。作業的には昨年からの続き、ひたすら厚くてかたい帆布を手縫いしていく。ティピ作りというよりもはや裁縫サークルのようだけど、淡々と白い布と相対するのは意外と気分がすっきりして気持ちいい。

今日は子供たちの参加が多くて、みんな女の子だったのでギャーギャー賑やかでした。地元のお土産とファンの方から頂いたインディアン・ハーブティー(ティピの夢)を差し入れに持っていきとても好評でした。博多名菓にわか煎餅はお面の形をした煎餅で、これが子供たちのツボにハマったらしくお煎餅を顔にあてがったりしてケタケタと笑い転げていた。

今日はタウン誌の方が取材に。お父さんでも子供でもない僕みたいな参加者が意外だったらしくていろいろお話しました。ひたすら縫い物ばかりしてますがまだ全然ティピのテントはできません。暖かくなるころまでゆっくり時間をかけてやるのもいいかもな。普段交わらないような世代と交流したりするこの新鮮な感覚を東京で感じていることが愉快で、エコとかロハスみたいなものと同様に、自分の身の回りで行なわれている草の根の活動や物事に眼を向けるのも心を豊かにするための第一歩なのかもなあ、と凍えるように寒い帰り道で考えました。

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2007年12月16日

ティピを作る4

tipi4_5tipi4_4先週に続き今日はティピ作り。4回目の参加。前回はライブ当日にも関わらず頑張って行ったので今日は時間もあってたっぷり余裕な日曜日でした。寒いけど気持ちは温かくなった。

前回はハサミで切るのがメインだったのですが、今回は縫う作業。僕はひたすらボタンホールを縫う。今までで一番参加者が多く子供たちもキャーキャー騒いでゴッズアイを作ったり絵を描いたりで楽しい雰囲気。コーンブレッドとかパウンドケーキとかミカンとかいろんなお裾分けをいただく。

みんなで縫い物をしながら誰が中心になるでもなく談笑している時間を眺めながら僕は「キルトに綴る愛」という大好きな映画のシーンを思い出していた。キルトを縫うアメリカのお母さんたちもティピの幕を縫うインディアンの女性たちも楽しいおしゃべりをして有益無益な様々な情報交換をしていたんだろうな。

今日は“映画「おばさんたちが案内する未来の世界」を見る集い”というのも見にいきたかったのだけど叶わず。しかし武蔵野の広い空の下で体を折り曲げてティピのテントを縫いながら世代の違う人たちと時間を共有するというのもなかなか得難い体験なのだ、と思った。年内のティピ作りは終了。続きは来年だ。

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2007年12月12日

ティピを作る3

tipi3_3tipi3_2tipi3_1夜の科学初日が終わってKKBでお疲れさま会で美味しい鍋を食べて遅く帰宅、そこから翌日の準備をする自分の計画性のなさを呪い朝方眠りにつき、否応無しに目覚まし時計に起こされ隣町へティピを作りにいく。眠い。

今日は前回縫い合わせた天幕を半円のかたちに切り取る作業だ。NPOの皆さんに「山田くんはライブで忙しいのでは..」と心配されるもティピの進展も僕は気になるんですよ。半円を裁ちバサミでシュキシュキ切っていくのは気持ちいい。僕が一番若いからなのか、そういう重要そうなことをやらせてもらえて嬉しい。帆布を縫い合わせた幕、本来はバッファローの皮を継いで作ったものだ。こんなに簡単にハサミで切れたりはしなかっただろう。

半円になった幕に今度は煙出し用の切れ目を入れたり、入り口部分をカットしたり、様々な作業が次から次にあってハサミも定規もフル稼働。余った帆布で小さなパーツまで丁寧に縫い合わせて作っていく途中で僕はタイムアウト。「いってらっしゃい」と見送られて高円寺へ向かいました。

車の窓から眺めた井の頭公園の赤と黄色の木々たちがものすごくきれいだったな。二日目も最後まで気分良く朗々と歌えたのも朝から体を動かしたからかもしれません。

たくさんいただいた誕生日プレゼントのなかにネイティヴアメリカンのハーブ茶 “Chief's Deight”とかメイプルシロップとか人形とかたくさんあって、みんなよく見つけてくるな、すごいな、と思いました。コーヒーなんかはもうしばらく買わなくてよさそうです。本当にたくさんのお祝いをありがとう。

クリスマスCDRの発送も始まっています。ポストを気にしつつもう少し待っててください。

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2007年11月25日

ティピを作る2

hamp1hamp2天気のいい日曜日、自転車に乗って隣町まで出かける。昨日は渋谷の雑踏に揉まれ今日はインディアンのティピ作り、うまい具合にバランスを取っている気がします。今日は帆布を切って縫ってテント部分に取りかかる。かなり大きい幕になります。

ティピとは北米インディアンたちが暮らした移動式住居で、東京の郊外にそれを再現しようという試みに惹かれて2回目の参加となりました。なかなか気分がいいです。


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2007年11月18日

ティピを作る

tipi7tipi10昨晩はライブ後に打ち上げに誘われたのですが「次の日が早いので」と断ってしまった。日曜日の朝、早起きして僕は「“ティピ”を作って“インディアン”を遊ぶ」という趣旨の集まりに参加するために隣町まで自転車を飛ばしたのです。

ティピとは平原インディアンたちの伝統的な移動式住居でこんな感じのインディアン的浪漫な風景には欠かせないものです。そんなもの作るのをこのトーキョーサバービアで身を持って体験できるなんて!と張り切って出かけていったわけです。

NPO団体が主催するこのプロジェクトは長期的なもので、もう今回の作業で6回目らしく完成予定は来年の2月だと。僕は友だちとなんのツテもなく飛び込みで、ただネイティヴアメリカンに興味があるというだけで参加させてもらったのです。




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2007年10月28日

精霊たち

kachina1高島屋快晴の日曜日、玉川高島屋へ「ホピ族の精霊たちーカチーナ人形展」を見にいってきました。“平和に満ちた人々”という意味の名を持ち、北米最古のインディアンであるホピ族は森羅万象の中に精霊が潜んでいると信じていて、その姿をポプラの木から彫り出したものがカチーナ人形です。

いったいどれほどの人がホピやカチーナなんかに興味があるのかよ、と思いながら週末の二子玉川へ友だちと向かいましたが会場は盛況、「実はインディアンって流行ってるのか?」と思うくらいだ。生でカチーナ人形を見るのは初めてなのでかなり興奮。

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2007年09月29日

私の友だち

indianbook肌寒い週末です。インディアン関連のお土産をいただいた。北米インディアンの部族ごとの資料画像と説明が書かれたカードブックみたいなもので(参照)、試験に出る単語を憶えるみたいな感じでクリップしてある。かさばるし読むところが多すぎて逆に読む気がしないようなものだが、しかし、誰が誰のために作ったのかと問えばおそらくお土産業者が僕みたいな人間のために作ったであろう、もらって嬉しいスーベニールだった。

たくさんの部族があって名前も可愛くて面白い。特に気に入ったのはミクマク族(Mi'kmaq)で、「私の友だち」という意味らしい。新しくバンドを作るとしたら小文字で「mi'kmaq」という名前にしようと思いました。

  
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2007年08月27日

たった100年前

curtisいつも本屋へ行くと立ち寄ってパラパラと眺める本があった。Edward S. Curtisという人の「The North American Indian」という写真集だ。一般的に知られるインディアンの写真や肖像などはほとんどこの人が撮ったものだと言っても言いすぎではないかもしれない。600ページ近い、ミシシッピー河以西の全部族の写真と記述による民俗誌、机の上に立つほどのボリュームなのですが、ついに買ってしまいました。これで家でゆっくり鑑賞できる。

古いものは100年前の写真、新しいもので1930年。当然モノクロで被写体に対しての派手な演出もなくCurtisは“失われゆく文化の記録者”という姿勢に徹している。威厳高いチーフの肖像もはにかむ子供の写真も女性たちのオシャレも全部記録されていて見入ってしまいなかなか先に進まない。目的意識を持った写真は雄弁だ。

夢に出てきそうな鮮烈なまなざしもあるが、手の届く過去に思いをはせるのは意外とロマンティックだ。



Northwestern University Digital Library Collections  
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2007年08月18日

kickingbirds〜陽気な小鳥たち

kicking birdソロでのバンド編成をなんと呼ぶかと考えて、僕はニール・ヤング with クレイジー・ホースみたいな、インディアンの酋長の名前を引用したかったのだ。

本を読んだりネットで調べたり(ここを何時間も眺めたこともあった)、「シッティング・ブル」はどうか、「マッド・ベア」も強そうだとか、酋長からはなれて「ポカホンタス」「スモーク・シグナルズ(のろしのことですね)とかネタは尽きなくて、やっぱりバンド名を考えるのは楽しいなと思いました。

結局、映画「ダンス・ウィズ・ウルブス」に登場する「kicking bird(蹴る鳥)」からさかのぼって、カイオア族に実在した同名の酋長の写真を見てピンときて、プロジェクト名は「kickingbirds」、陽気な小鳥たちということに落ち着いたのです。「わが魂を聖地に埋めよ」という20世紀アメリカに衝撃を与えたインディアン殲滅の歴史が書かれた本にはキッキングバードが白人との懐柔策の立場をとったり狩りよりも農業を奨励したりする先進的な姿が描かれていました。

kickingbirds(KKB)のメンバーは、僕の作家仕事のときのアレンジや演奏や録音を手伝ってくれたミュージシャンたちで、イトケンさんに関しては近所であるがゆえに僕の留守中のポチの世話役をやってくれていた、という人間関係がそこにある。9月10月と「陽気な小鳥たち」と一緒に音楽の旅をしようと思いますのでぜひ聴きにきてください。  
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2007年07月28日

風のフルート

ねこだましい
河合隼雄さんの追悼番組をふたつ、「年越しトーク・文化共存の道へー河合隼雄の四つの対話」と「世界わが心の旅/ アメリカ・大地に響く癒やしの笛」を観た。

特にネイティヴアメリカンの神話や儀式に言及する「世界わが心の旅」はズニの居留地やインディアン・フルート、スウェットロッジ、メディシンマンなどあまり映像を伴うことのないキーワードが頻出して見入ってしまった。自身もフルートをたしなむ河合氏の、どこか日本の旋律に似た先住民の笛の音に目を細める顔が印象的だった。

猫好きには「猫だましい」をお薦めしたい。

8月3日のライブは弾き語りのつもりでしたが笛の音が耳に心地よかったので大地を渡る風のようなフルートを横で吹いてもらおうかとも考え中。  
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2007年06月10日

赤と青、緑

indt6indt5朝からゴロゴロと雷鳴轟く大雨でしたが午後からはおさまりました。涼しい初夏、という感じ。

吉祥寺の古着屋でTシャツ探し。鮮やかな原色から名前もわからない中間色まで色鮮やか。雨上がりの街はなんだか木々の緑も透き通って見える。

梅雨の季節はまだこれからですが、春に募った「夜の科学」ポストカード企画の返事をどーんと今日ポストに投函しました。郵便受けを気にしておいてください。  
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2007年03月25日

肖像

たくさん巡り会うインディアンTシャツ。いちいちディテールが異なる多様性に飽くことがない。まだまだ探求中。左からARIZONAC(アリゾナ州)と書いてあるが1930年代イギリスOGDEN’Sタバコのパッケージをモチーフにしたデザイン、インディアンモトサイクルのクールなロゴT、そしてパンチの効いたデザインのビンテージT。

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2007年02月22日

スロベニアのインディアン

ind_slind_sl_2スロベニアで教鞭をとっているファンの方からスロベニア、リュブリャーナの街でのカーニバルの写真が届きました。インディアンの仮装が可愛らしい。

僕が本格的にインディアンに興味を持って1年がたちました。特に去年の2月のインディアン関連本の固め読みはすごい。インディアンに興味を持ってみるといかにアメリカのいろんなエンターテインメントにアメリカ先住民が関わっているかということにまず驚く。アングロサクソンは根本的に黒人とインディアンにどうしようもない憧れを抱いている、としか思えなくなる。

猫の日の今日は終日デモ録音。1月11日が犬の日というのをあんまり聞かないのは11月11日があるからか、正月明けでまだみんなぼーっとしていたからか。  
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2007年01月15日

日本人はアイデンティティをなくしたインディアン

hokutopia_bridge調べもので図書館へ。天気がよくて寒い日は読書が進む。菊池東太著「パウワウ―アメリカン・インディアンの世界」は写真と読みやすい文章でアメリカンネイティブの日常を活き活きと書いた読みごたえのある本だった。北山耕平翻案による「虹の戦士」も北米インディアンの思想がわかりやすく練り込まれた読みやすい本、装丁が懐かしい感じがして手に取りたくなる。

まもなく芥川賞受賞者も発表されますが柴崎友香の新刊「また会う日まで」も読むのが楽しみです。ああ、長いトンネルを抜けるように頭が活性化して良い感じだ。

すっかりドラマ「東京タワー」を受け入れて上京したての大学時代や九州の親のことを考えながら遠い目をしている僕がいる。昨日も同郷のCLUB Que店長二位さんといろいろ話して、明け方近くには同じく同郷のPLECTRUM高田タイスケと電話でしゃべった。九州弁で。がんばらんばいけんね、と。  
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2006年11月07日

中国のインディアン

china_indian晴れて風が強い日。終日デモ録音で肩がこった。

昨日紹介したのはフランスからのインディアンだったが、今日の写真は中国製のインディアンである。インディアンを織り成したコインケースと、このコインケースと一緒でないとインディアンかどうか判別できないようなネックレース。携帯にくっついてるのはナヴァホの革ヒモとブードゥーの人形。集めても集めても無限だ(ブードゥーとインディアンは関係ないが)。

たくさんのリクエストと嬉しい賛美を書いてもらったのでポッドキャストに“ripple-ism2006”吉祥寺公演のパート3を公開しました。またたくさんコメントしてくれたらパート4もあるかもな。24時間限定です。  
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2006年11月06日

フレンチ、パリとインディアン

french_indianご近所に住むイラストレータートウゲさんがフランス旅行から帰ってきた。「インディアンに関するものがあったらお土産を!」と無謀なお願いをしていたのですが、パリの蚤の市で探し当ててくれたのです。

アンティークな、おそらくチョコレートのおまけと思われるカードの裏に仏語と独語でなにやら書かれているのだが、そこに「SITTING BULL(ラコタ族の著名な酋長)」の文字が。「わ!シ、シシ、シッティングブルだ!!」というデジャビュを楽しみました。いかにもインディアン的なピンズと、ウォーボンネット(羽飾り)を脱いだ酋長をモチーフにした珍しいピンズも。これらがフランスから日本へ移動したということが事件だ。陽気な鳥クリップもどこか欧風でクール。写真をいろいろ見せてもらったがアメリカも良いけどパリも可愛くていいなあと思ったのだった。

最近モーツァルトに興味がある。35年の生涯で700曲以上の作品を残したと聞き、自分はどうなのかと調べてみたら今日現在僕が書いた113曲がCDになったりDVDに入ったりして世に出ているらしい。モーツァルトまではまだまだまだだ。頑張ろうと思う。  
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2006年09月24日

一日中Tシャツについて考えていた3

ind7ind3ずっとTシャツのことを考えています。これで3日間考えていることになる。新しいツアーグッズとして1年ぶりのオリジナルTシャツを作っているからです。今日はここ最近のインディアンをモチーフにしたコレクションを並べてみました。

アメリカの地名はほとんどがインディアンの言葉にちなんでいるので、たとえばその土地に根付いたハイスクールや大学のTシャツにインディアンがフィーチャーされることが多いようです。ボーイスカウトもしかり。子供服にもインディアンのイラストがついているものが多い。バイク絡みのインディアンもかなり多く「インディアン Tシャツ」で検索するとまず「Indian Motocycle」のTシャツがゴマンと出てくるはずだ。

それこそ古着やオークションを見ると驚くほどたくさんのインディアンがあるのですが、インディアンがリアルすぎてこわいものやサイズが大きめのMやLだと胸を張って着れないのでなかなか難しい。これらのTシャツはだいたい500円から2000円くらいで手に入れたものだけどそこに運命的な遭遇(プライスレス)が加味されるので金額でははかれない何らかの価値がある。あるのだ。


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2006年09月20日

言葉が心を越えられないのは

chey1964年大御所ジョン・フォード監督最後の西部劇となった「シャイアン」を観た。これまで勧善懲悪(白人が善で姑息なインディアンが悪)の名作を作り上げてきたフォードが晩年に撮ったのは横暴な白人によって滅ぼされようとする少数派民族の悲哀だった。

「合衆国のインディアン政策によって、シャイアン族は居留地に押し込められていた。だが合衆国の約束した物資は一向にとどかない。餓えと病で多くの仲間を失った彼らは、元のイエローストーンへ戻ることを決意する。しかしその行動は反乱行為とみなされ、騎兵隊による討伐の目標となってしまう...」というあらすじ。

史実に基づいた大枠とインディアンが英語で話さない(交渉時だけ英語が使えるものが代表でしゃべる)というリアリティと時代を超越したアメリカの荒野の風景が相まって2時間半の長尺も気になりませんでしたが、とにかく圧倒的に悲しくなる映画でした。

インディアンの子供にアルファベットから英語を教える親先住民派クエーカー教の女性教師にインディアンが「白人はウソばかりつく。嘘つきの言語を子孫たちに教えてほしくない」と登校を拒否させるくだりがあって、それに対し女教師は「言葉じゃなくて、心の問題なのよ!」と言い返すのですが、「言葉は心を越えられない/言葉より先に心がある」というのはいつの時代も変わらないなあ、と思った。  
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2006年09月08日

夜が長くなった!

peacepipe9月を過ぎて夜が長くなった気がします。真夜中の2時間と昼間の2時間は体感的に長さが違う。そういう季節なので真夜中にたくさん映画を観たり本を読んだりしています。

録画しておいたドキュメンタリー映画『HOMELAND : Four Portraits of Native Action』(NHK題『母なる大地を守りたい――立ち上がるアメリカ先住民』)は現代のインディアン居留地の悲しい現状を伝える重い内容で、何世紀も続く民族迫害の歴史を思いました。一方で1949年のカラー作品「黄色いリボン」はコミカルな西部劇でジョン・ウェインの白い歯と笑顔が印象的だった。

ようやく手に入れた「ジェロニモ」は伝説的なアパッチを史実に基づいて描いた1994年作品で、時代考証もしっかりしててインディアンが英語ではなく自分たちの言葉でしゃべったり、「ダンス・ウィズ・ウルヴス」や「ラスト・オブ・モヒカン」でも馴染みのネイティヴ俳優たちが出ていて見どころ満載で楽しめた。ジェロニモは立場によって大きく評価のわかれる人物なので容易な感情移入が難しく、それだけに興味深い内容だった。

気分転換にキルスティン・ダンスト主演作「クレイジー/ビューティフル」も観た。高校を舞台にした青春群像劇だが、前途有望なヒスパニック少年と心に闇を抱える破天荒な白人少女の肌の色を越えた恋愛がテーマで、これもとてもアメリカ的だなあと思いました。音楽もよかった。

ずっと読みたかった大橋禅太郎 著「すごい会議-短期間で会社が劇的に変わる!」という本を読み終えた。今日これから練習なのでこの本を参考に「すごいリハーサル-短時間で楽団が劇的に変わる!」というのをやってこようと思う。  
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