2017年06月30日

『猫と五つ目の季節』と『ひなたのねこ』

エッセイ集『猫町ラプソディ』で僕のことを知ってくださって、遡って『猫と五つ目の季節』、そして『ひなたのねこ』をご購入くださる方が最近増えていてとても嬉しいです。こちらもオフィシャル通販STOREではポストカードとサイン付きで発送しています。この予告編ムービーも自分でとても気に入っています。どちらも近藤研二さんの音楽が素晴らしいのです。






オフィシャル通販STOREで書籍を購入  

Posted by monolog at 11:30Comments(0)TrackBack(0)

2017年01月23日

通販STOREでの書籍ご購入の方にポストカードを【3日間くらい限定】



週末に倉庫を整理していたらなくなったと思っていたポチのカードが出てきました。2014年にポチを送る「夜の科学」で御礼返しのために作ったもので、遺影と同じ写真、裏面には僕の絵とメッセージが描いてあります。せっかくなので通販STOREで『猫と五つ目の季節』『ひなたのねこ』をご購入の方にプレゼントしようと思います。もうすでにたくさんのお申込みをいただいているのでこのカードはなくなってしまうかもしれませんが、昔作ったデッドストックのポチのポストカードも何種類か発掘したのでここ数日分のご注文にはおまけで何かしらのカードを封入できると思います。ぜひこの機会に本を。プレゼントにもいいかと思います。通販STOREはクレジット決済ができなかったり、代金先払い制だったり、ネットショッピングとしてはかなりアナログなお店ですが、いろいろおまけしたりサインと絵を描いたり心こめてお送りしますので。


通販STOREで書籍を購入  
Posted by monolog at 11:38Comments(0)TrackBack(0)

2016年09月02日

猫騒動 6thシーズン(8)2年目のポチ実記念日




 九月に入ってすぐの朝だった。前の晩は下北沢でライブがあり、夜遅くまで音楽仲間と打ち上げをして少し飲み過ぎた。寝ぼけた目をこすりながらリビングのブラインドを引きあげると、サッと小さな影が視界を横切った。目を凝らすと、紫陽花の木陰に身を潜めてこちらの様子をうかがう子猫の姿が見えて、僕はいっぺんに目が覚めた。
 ガラス窓を爪でトントントンと叩くと、子猫はさらに目をまんまるにさせて警戒した。そして恐る恐る木陰から這い出てきたその子猫を見て、僕はびっくりしてしまった。大きさからすると生後ニ、三ヶ月というところだろうか、それはポチに瓜二つの三毛猫だった。
「信じられない・・・」
 思わず口をついて出るひとり言。茶、黒、白の毛、そしてきれいな縞模様、小さな身体、尻尾はすらっと長い。僕は夢でも見ているのかと思ったが、これは目の前に起きている現実だ。ガラス越しに携帯で写真を撮るとそのシャッター音に驚いて、子猫はするすると器用に木を登ってコンクリートの塀に飛び乗り、その塀をスタスタと伝って歩き去って見えなくなった。
 僕は携帯のスクリーンに写った子猫の姿を見つめた。指先で画像を大きくしたり、明るく加工してみたが、見れば見るほどポチにそっくり。写真集の中の小さな頃のポチが、表紙から抜け出してきたかのようだ。


小説『猫と五つ目の季節』152ページからの抜粋、これはすべて脚色なく2年前の今日9月2日のことをそのまま書き綴ったシーンである。下北沢leteでのライブの後、一緒に打ち上げをしたのはシンガーソングライターの高橋徹也さんで、あらためてポチへのお悔やみを伝えてくれて「優しい人だな、この人は」と思った記憶がある。奇しくも一昨日が下北沢leteライブだったから季節感とか空気の心地も甦ってくる。あれから2年が過ぎたが、あっという間のようでもあり、長い長い充実した時間のようにも感じる。猫が僕より4倍早い人生を送るから、なるだけ時間がゆっくり進んでほしいなと願っている自分もいる。この日の奇跡みたいな出来事がなければ今の日常は全然違うものになっていただろうな。

朝起きて庭に出たら、庭先のフェンスのところにお隣のノアちゃんからの手紙とアジサイの花がプレゼントとして置かれていて「わあ!」と歓喜の声が出た。あの日以来、ポチ実は数えきれない出会いと繋がりのもととなった。ファンの皆さま、いつもポチ実に言葉や贈り物をありがとうございます。家を庭を駆けまわって悪さをして困らせるポチ実をしかってばかりの毎日ですが、今日は特別に感謝を捧げる一日にしたいと思います。9月2日はポチ実記念日。



P1000423

P1000518
  続きを読む
Posted by monolog at 11:47Comments(1)TrackBack(0)

2016年08月29日

小説『猫と五つ目の季節』のこと24|ねこのきもち、ひとのきもち



『ねこのきもち』というベネッセが出している定期購読専門の雑誌があって、それはそれはもう猫についての記事しか載っていない、とてもハードコアな本なのだけど、その最新号に別冊付録として猫本特集が組まれて拙著『猫と五つ目の季節』を紹介していただいた。読者からのアンケートが反映されたそうだ。先月は雑誌『リンネル』にもレビューを書いていただき、発売からもうすぐ10ヶ月になるというのにこうやってじわじわ知らない人の目に触れることはとても嬉しいこと。もうすぐ8月が終わって9月がやってくる。ポチがいなくなって、ポチ実がやってきたのは9月2日のこと。あれからまだ2年しか経っていないというのが不思議でならない。もっとたくさんの時間が流れたようにも感じるし、いや、あっという間の2年だった、とも思う。ポチ実とのこの2年を思うと、ポチとの13年という時間にも思いを馳せることになる。

引き続き小説『猫と五つ目の季節』をよろしくお願いします。たくさんの感想、励みになります。全国の書店で、Amazonで、猫の絵やサインやいろんなおまけがくっついてくるオフィシャル通販はこちらから。

  
Posted by monolog at 23:10Comments(2)TrackBack(0)

2016年06月16日

僕の「重版出来!」|梅雨、ちひろ美術館|0655 to 2355



久しぶりにテレビドラマを楽しみに毎週見続けた。話題になった『重版出来』のことなのだけど、最終回も清々しい気持ちで眺めながら、最終的に悪い人が出てこない物語だったなあと静かに感動した。去年小説『猫と五つ目の季節』を出して、本を売るというのがいかに大変なことかということを知った。書店の本棚に置かれるだけでもラッキーというくらい人にその存在を認めてもらうことが難しい。ネット通販の仕組みについても今まで知らなかったことを知ったりして新鮮な驚きがたくさんあった。

初版の冊数を聞いて「CDだって◯◯枚くらいしかプレスしない自分の本がそんなに印刷されて大丈夫なのだろうか…」と不安になったが、版元の地道な営業とプロモーション、友人たちの推薦コメント、本を読んだ皆さんの口コミ、懇意にしている雑貨店やカフェが本を店頭に並べてくれたり、知らないところでラジオパーソナリティの方が紹介してくれていたり、新聞に書評が載ったり(信濃毎日新聞に小林聡美さんが寄せてくださった文章の後押しよ)、両親が何十冊も買って親戚じゅうに配ったことも功を奏してか、発売から7ヶ月を経てついに重版決定、来週には第二刷ができあがる。とても嬉しいが、また千冊単位で在庫が世の中に積み上がることになるからいろんな努力をしなければならない。まだまだ『猫と五つ目の季節』への応援をよろしくお願いします。

昨日初めて練馬の下石神井にあるちひろ美術館へ行った。「村上春樹とイラストレーター 佐々木マキ、大橋歩、和田誠、安西水丸」という企画展を見たかったのだけど、うちから車で20分くらいの住宅街にこんな素敵な美術があるなんて知らなかった(正確に言うなら存在は知っていたけどこれまで足が向かなかったのだな)。佐々木マキさんの原画は独特の質感があって無国籍。大橋歩さんの作品に接するのは2回目だったがスッとした溌剌さは変わりない。安西水丸さんはやっぱり永遠のプレイボーイだなあと感じたし、和田誠さんの絵を目の前にすると「イラストレーター」というよりも「画家」と呼びたくなった。そしていわさきちひろの絵に接するときの自分の感覚が変化しているのが面白かった。70年代の仕事場を再現した空間を眺めたせいだろうか。とても丁寧に気持ちをこめて紙に落とし込まれた絵たち。「ぽちの きた うみ」という絵本のなかで心が震えた。帰り道に咲いたきれいな紫陽花がちひろの絵のように見えるから不思議。

歌唱を担当したNHK Eテレ0655のおはようソング「第2の人生」が今週は夜の2355のおやすみソングとしてオンエアされている。朝から夜への出張だが、夜には夜の味わいがあってとてもよく響いていました。作曲者近藤研二さんが歌う「考えるセイウチ」とともに、超ご近所&出身地も近いふたりの歌声が流れて面白かった。今晩も流れると思います。夜の23時55分から就寝前にEテレをご覧ください。

NHK Eテレ 2355 ホームページ  
Posted by monolog at 10:08Comments(1)TrackBack(0)

2016年06月01日

小説『猫と五つ目の季節』のこと23|重版出来!

昨年秋に発売になった初めての小説『猫と五つ目の季節』が半年以上をかけて初版本完売、重版が決定しました。とても嬉しい!重版記念として昨年SNSで展開し好評だった感想文キャンペーンをもう一度行いたいと思いますのでどうかお付き合いください。版元ミルブックスの告知文を下記に転載します。

IMG_1850


山田稔明『猫と五つ目の季節』重版記念!
感想文&写真コンテスト(再び開催)


抽選で豪華プレゼントのほか、参加者全員にポチから暑中見舞いが届きます。

皆さんのおかげで、発売から7ヶ月で山田稔明さん『猫と五つ目の季節』重版が決定しました。正直な話をすると、山田稔明さん初めての小説ということもあり、発売当初は販売してくれるお店も少なく苦戦をしておりました。しかし、読んでくれた方々がSNSなどで紹介してくれたおかげで、猫好きの方を中心に口コミでじわじわと広がっていきました。先日は、信濃毎日新聞の書評で俳優の小林聡美さんが丁寧に紹介してくれたり、日本経済新聞の書評でも取り上げてくれたりと、その輪が少しずつ大きくなっていることを実感しております。

昨年末に、感想文を募集しましたが、その後もSNSなどでたくさんの嬉しいご感想を目にしています。そこで、重版決定を記念して、感想文&写真コンテストを再び開催したいと思います。今回も大人気の山田稔明さん作によるポチバッジをはじめとする豪華賞品をご用意しております。さらに、参加してくれた方全員に、ポチから暑中見舞いが届きます(本当は山田さんのサイン入りのポチのポストトカードですが、山田さんが倉庫を整理中に発掘した貴重なGOMES THE HITMANのグッズのデッドストック!)。

応募は下記の要領でお願いします。前回投稿してくれた方もぜひもう一度、ご参加ください。

ツイッター、インスタグラムで募集します。

『猫と五つ目の季節』を読んだご感想を投稿お願いします。

ツイッターの場合、1回140文字で書き切れない際はできれば2ツイート内でお願いします。

インスタグラムの場合、ご感想と、『猫と五つ目の季節』とあなたの大切なものとのツーショット写真(猫、犬、大切な人、好きなものなど、愛すべきものと写真なら何でもOKです)を投稿してください。『猫と五つ目の季節』の写真とご感想だけでもOKです。

必ず【‪#‎猫と五つ目の季節‬】というハッシュタグを付けて投稿してください。非公開にしている場合はハッシュタグを付けても書き込みが表示されませんのでご注意ください。

募集期間は2016年6月1日〜6月30日とさせていただきます。前回【#猫と五つ目の季節】を付けて感想を書いてくれた方で、もう一度ご参加いただける場合は期間中に再投稿いただけると嬉しいです。

プレゼント当選者は著者の山田稔明さんによる選考で決定させていただきます。当選者には7月中旬頃にミルブックスからSNSを通じてご連絡させていただきます。発送先をお送りいただくメールアドレスをお知らせします。当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。

参加者全員プレゼントの暑中見舞いは、感想を投稿した後、下記までメールで送付先をご連絡ください。
millebooks@outlook.jp(ミルブックス)
件名に【ポチからの暑中見舞い希望】、本文に【お名前、郵便番号、住所、SNS上でのアカウント名】をご記入の上、6/30までに送信ください。
暑中見舞いは感想を投稿してくれた方が対象となりますので、メールいただいたアカウント名で感想文の投稿がない場合は送付いたしません。


皆様のご参加お待ちしております。一言でもいいので、気軽に投稿してください。


  
Posted by monolog at 16:21Comments(1)TrackBack(0)

2016年05月18日

小説『猫と五つ目の季節』のこと22|お知らせ



ここ数週間Amazonでたくさん注文をいただいているようで、現在また品切れ中で、注文する(カートにいれる)ことができなくなっていうようです。品切れ中にたくさんの注文が入るとそうなるみたいで、せっかくたくさんの方が興味を持たれているところお手数をおかけします。間もなく再入荷になると思いますのでお待ち下さい。Amazonよりも発送から到着までに時間がかかりますがGOMES THE HITMAN.COM STOREのオフィシャル通販ではまだまだ在庫がじゅうぶんにあります。クレジット決済ができなかったり面倒なところもありますが、かわりに僕がすべてに手描きサインを入れて(絵柄も季節や気分で変えて)、特典のポストカードに加え通販STOREだけの気まぐれなおまけも着いて届きますのでこちらをご利用いただくこともお薦めします。『猫と五つ目の季節』は送料無料サービス継続中です。備考欄に宛名など書いてくださればなるべく希望にも応えたいと思っておりますので引き続きよろしくお願いします。大切な方への贈り物などにもぜひ!


オフィシャル通販STOREで『猫と五つ目の季節』を注文する  
Posted by monolog at 11:43Comments(0)TrackBack(0)

2016年05月11日

小説『猫と五つ目の季節』のこと21|嬉しいことば



出版元のミルブックスから「ここ数日なぜか妙に本の注文が多いのですが心当たりありますか?」と聞かれ、連休中に人がたくさん集まるイベントに出たからかなあと考えていたのだけど、その要因のひとつが今日わかった。女優の小林聡美さんが5月8日(日)の信濃毎日新聞の書評欄に『猫と五つ目の季節』のことをとても丁寧に紹介してくれていたのだ。掲載誌が送られてきてびっくりして、飛び上がるほど嬉しかった。小林聡美さんの文才は数多くのエッセイ集で知られているが、凛とした言葉で自分の書いた物語について語られて身に余る光栄。小林さんが出演された昨年末の『山のトムさん』をまた観たくなりました。

CDと違って(CDもちゃんと聴かないとアレだけど)本はある程度の時間を割いて向き合わないと感想が言えない。貴重な数時間をかけていただいて感想をその人の言葉でしたためてもらうことはとても幸せなことだ。今日は朝から一日ずっとふわふわと浮足立ったような気分だった。心をこめて御礼の手紙を書かなければ。

IMG_9129
  
Posted by monolog at 19:39Comments(1)TrackBack(0)

2016年04月27日

小説『猫と五つ目の季節』のこと20|発売からもうすぐ半年





小説『猫と五つ目の季節』発売からもうすぐ半年が経ちます。ありがたいことに今でも「読みました」と嬉しい感想をたくさんいただくし、ライブ会場でもたくさんの人が本を手にしてくれます。HARCOは春の始まりに「実はついさっき『猫と五つ目の季節』を読み終えました」とメールで丁寧に感想をくれて、「山田くんの言葉で歌ってみたくなりました」とHARCO作曲で僕が作詞をする提案してくれたのでした(その曲は「春のセオリー」という歌になり、次は5月の京都で演奏します)。

猫本専門店神保町にゃんこ堂のアネカワユウコさんが厳選した「にゃんこ本100選」という本があって、それには国内外様々なジャンルの猫本があれもこれもどれも載っているのですが、その文庫化に際して小説『猫と五つ目の季節』を見開き2ページも使って紹介してくださった。僕はこの本を福岡空港の本屋で見つけてとても嬉しかった。他にも保坂和志作小沢さかえ画の『チャーちゃん』、安彦幸枝さんの写真集『庭猫』(安彦さんは巣巣店主岩崎さんの本『小さな巣をつくるように暮らすこと』の写真を担当した方でもあります)等、僕自身も好きな猫関連の本が文庫化を機に取り上げられています。ありとあらゆる名著に囲まれて、本当に光栄です。

版元のミルブックスによるといよいよ初版本が残り少なくなってきたそうで、初版本マニア(そういう類の人がいるのです、僕のような)の方はお急ぎいただきますように。全国の書店で注文可能、すぐ手に入りますし、AmazonをはじめとするWEBストアでは頼んで翌日にはお手元に届くと思います。GOMES THE HITMAN.COMのオフィシャル通販でお買い求めいただいた方には僕が毎度違う猫の絵とサインを描いて送っています。通販分とライブ会場直販分には特典ポストカードもついていますのでぜひご一読いただければ、と思います。本を先に読んで僕の本業を知らない方には『the loved one』というCDがサウンドトラックのように響くと思います。半年経った『猫と五つ目の季節』を引き続きよろしくお願いします。




オフィシャル通販サイト『猫と五つ目の季節』ページ

Amazon『猫と五つ目の季節』ページ  
Posted by monolog at 20:56Comments(1)TrackBack(0)

2016年02月19日

小説『猫と五つ目の季節』のこと19|発売から3ヶ月を経て

昨年11月の発売から3ヶ月を経て、今でもたくさんの感想をいただくのが嬉しい。先日夕飯を食べに寄ったカフェ長男堂(小説中に登場する定食屋のモデルだ)では通りすがりの70歳くらいのおばあちゃんが店先に並んでいた『猫と五つ目の季節』を手に取り購入いただき「すごくよかったわ。わたしも猫が大好きなの」とわざわざま感想を伝えに再び訪ねてきてくれたそう。来週の2月22日の猫の日を目前にして、あらためてこれまでいただいた感想コメントをここに並べさせていただきたいと思います。まだお読みいただいていない方にはこの機会にぜひよろしくお願いします。たくさんの声をありがとうございます。

IMG_1850



オフィシャル通販では送料無料でサインとイラストを入れています。
Amazonでのご購入はこちらから
以下、いただいた感想を50音順に。



  続きを読む
Posted by monolog at 08:34Comments(1)TrackBack(0)

2016年01月24日

「猫と五つ目の季節」の季節|今夜、下北沢B&Bで



昨日の夜うとうとしていたら、友だちから「今テレビ見てる?」と連絡があった。『新・情報7daysニュースキャスター』という安住アナの番組のなかで猫特集があって、神保町にある本屋の猫本コーナーが紹介され、その画面のなかに『猫と五つ目の季節』の表紙の青がきれいに映えていたそうだ。その姿を目撃することはできなかったが、ちゃんとそういう猫本コーナーの仲間にいれてもらえているのが嬉しかった。神保町には猫好きには有名な「にゃんこ堂(姉川書店)」という猫本専門店があるのだけど、先日にゃんこ堂HPに『猫と五つ目の季節』を紹介していただいてとても嬉しかった。お店の方はその後すぐ経堂ギャラリー芝生の「カレンダー展」にも遊びにきてくださったので、僕も近いうちに挨拶しにしかなくては、と思っている。僕がエッセイを寄稿したネコパブリッシング季刊の雑誌「ねこ」がこないだふらっと寄ったコンビニに売っていて驚いた。空前の猫ブームというのは本当みたいだ。一過性のものだったとしても、猫と暮らしたい人が増えて身寄りのない猫たちの数が一匹でも減ったらいいな、と思う。

今日はいよいよ下北沢B&Bで小説『猫と五つ目の季節』出版記念 “山田稔明×佐藤満春「猫と僕、五つ目の季節の歌」”の開催日。本を出すことになってから下北沢B&Bとスタンダードブックストア心斎橋でイベントをやるのが夢でした。スタンダードブックストア心斎橋ではラジオパーソナリティの仁井聡子さんと抱腹絶倒のトークになったが、今日のサトミツさんとの打ち合わせなしのセッションがどうなるか。サトミツさんはお笑い芸人であると同時に構成作家/放送作家でもあるので(朝の「スッキリ」とか「PON!」、「オードリーのオールナイトニッポン」「たりないふたりー山里亮太と若林正恭」などで暗躍)ライブと同様にトークも楽しみです。当日券も出せると思いますのでぜひよく晴れた日曜日の下北沢散策をぜひ。



2016年1月24日(日)@ 下北沢 B&B
“山田稔明×佐藤満春「猫と僕、五つ目の季節の歌」”

18:30開場19:00開演/前売1500円(1ドリンク代500円別途)
出演:山田稔明、佐藤満春(どきどきキャンプ)

下北沢B&Bにて『猫と五つ目の季節』刊行を記念したトーク&ライブを
開催します。スペシャルゲストとして、山田がボーカルをつとめるバンド
GOMES THE HITMANをデビューアルバムから愛聴していたお笑いコンビ
どきどきキャンプの佐藤満春さんをお迎えします。

偶然にも、開催日の1月24日は山田が愛猫ポチと出会うきっかけとなった
シングル『饒舌スタッカート』が発売されてちょうど15年目の日。
小説の話だけではなく、小説には書けなかったバンド時代の裏話や、
その当時の楽曲もたっぷり演奏する予定です。どうぞお楽しみに。

入場お申込みはこちらから

B&B(http://bookandbeer.com/
世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F  
Posted by monolog at 10:44Comments(0)TrackBack(0)

2015年12月19日

小説「猫と五つ目の季節」のこと18|主観から俯瞰へ

発売からしばらく経って最近は、小説『猫と五つ目の季節』の感想をお手紙でいただくことが多い。ライブで行った先で、長文メールで、何度も書き直されただろう感想文は心尽くしのもので感動する。客観的になって「そんな素晴らしい物語、おれが読みたい」と思うくらい美しい言葉で感想が書いてある。ヒックスヴィルの中森さんに昨日本を渡すときに「いやあ、読んだよ。感動して震えたよ」と褒めてもらって嬉しかった(メールで送ったPDF版ですでに触れていてくれていたのだ)。Amazonでたくさん売れているみたいだ、という報告もあり、10月からの僕のライブ会場だけでもすでに数百冊が皆さんの手元に旅立った。在庫の山に埋め尽くされることなく、なんとか安心して年を越せそうな雰囲気がある。仙台では「これは猫に限った話ではなく、普遍的な愛する者についての物語ですね」と言われたのだけど、その人は犬と暮らしているそうだ。保護犬を引き取って家族に迎えたという経緯をお持ちのモデル/タレントの浜島直子さん(世界ふしぎ発見ミステリーハンターのはまじさん!)からも本について嬉しい感想をいただいたので、今日はそれを紹介します。

IMG_1850




著者の人柄が感じられるような、穏やかでひねくれていない
素直な文章が読んでいて心地よく、すいすいと心に入っていきました。
猫との生活という淡々としがちな内容ですが、だからこそ共感しやすかったり
自分と重ねやすかったりするのかなと思いました。

逃げるところや病気で苦しむところは、ついつい我が家のピピちゃん
(雄のシーズーです)と重ねてしまって、読んでいて胸がつぶれそうでした。

それにしても、不思議なことってあるもんですねぇ! 
最後は読んでいて救われたような気持ちになりました。
私は猫アレルギーなのです、筆者が羨ましい!(笑) 
読んでいて猫を飼いたくなったのは私だけではないはずです。

浜島直子
  
Posted by monolog at 20:21Comments(0)TrackBack(0)

2015年12月16日

小説「猫と五つ目の季節」のこと17|はしもとみおさんのポチ

小説『猫と五つ目の季節』発売からしばらく時間も経ちましたが、どの街を旅しても「本を読んで初めて山田稔明の音楽に触れた」とライブにまでお越しいただくお客さんが多くて嬉しい。みなさんがそれぞれ愛する猫の話をするのを聞くととても幸せな気分になるし、その愛の対象は猫にかぎらず犬だったり鳥だったり、両親だったり友だちだったりするから嬉しい。この本を書くことができて本当に良かったと思います。

ポチを亡くしてすぐ、木彫刻家のはしもとみおさんがポチを作ってくださった。それは素敵なサプライズで、僕は思わず泣いてしまったのだ。ポチの写真をたくさん飾って眺める日々のなかで、手に触れられるものができたのがとても嬉しかった。はしもとさんはとても可憐で素敵な女性だが、その眼差しは鋭く、その作品にはたくさんの想いが詰まっている。はしもとみおさんから感想コメントが届いたのでそれを紹介します。いつの日か、はしもとさんの動物たちに囲まれて歌うようなことができたらいいな、と願う。そのときには動物チームの先陣にポチの木彫を置きたい。





猫と五つ目の季節 をよんで

不覚にも、新幹線の中で涙が止まらなくなりました。

私は、地方出張の際に、土地にちなんだ本を読むのが自分の中の楽しみになっていて、
九州の猫を取材に行く際の新幹線のお供に、以前「実家が佐賀で〜」とお聞きしていた
山田さんの本をお供に連れて行くことにしました。
小説なのに、ドキュメンタリーのように進むその内容に、山田さんがこれまで音楽と
どのように向き合って、音楽と暮らして、そしてポチとの出会いから、ポチと音楽との暮らし、
その全てが山田さんのリアルな足跡で、まるで山田さんの唄のように、
日常のささやかな幸せや喜び、淋しさをシンプルな言葉で書きとめた日記のようなものでした。
ポチと出会ったのあたりを読んでいたのがちょうど大阪くらいで、その後岡山、広島と物語は進み、
山口に着く頃にはページをめくるたびに涙が出ました。
どんな神様にでも力を貸してほしいくらいに、どうしようもないポチとの別れ、
私も猫、犬と生き物と暮らしてきたので、感情移入せずにはいられませんでした。

そして、九州へ新幹線は走り、奇跡へと物語は進みます。

それは、とてもあたたかな、奇跡みたいな命の物語そのものでした。

山田さんは歌で、詩で、そのちいさくておおきいたいせつなあたたかい日常を、
これからも唄っていくのだなと、私も彫刻でそんなことの端っこのほうでも、
つくっていけたらいいなと思いながら、悲しいだけではない涙を拭いて、
私は新幹線を降り、すこし深い呼吸をして、島に住む猫たちに会いに行ったのでした。

2015年10月30日、新幹線の中で。  

はしもとみお
  
Posted by monolog at 10:05Comments(0)TrackBack(0)

2015年12月05日

小説「猫と五つ目の季節」のこと16|発売から一ヶ月がたちました

IMG_1850

小説『猫と五つ目の季節』の一般発売から一ヶ月が経ちました。書店とアマゾン等への出荷冊数などもだんだんわかってきて、僕のライブや通販でもたくさんご購入いただいていますが、残りが少なくなって増刷の夢も遠くない!という状況でとても嬉しいです。小さな子どもから「あたしも読みたいです」と手紙が来たり、おそらくおばあさまだと思われる声で出版元へ「著者さんにこの本書いてくれてありがとうと伝えてくださいな」と電話があったり、幅広い年齢層に読まれているような印象があります。かと思うと友だちやミュージシャン仲間から「2ページ目で泣いた」とか「すごくよかったよ」と小さな声で褒めてもらったり、じわじわと実感を伴って読んでくださった皆さんへの感謝の念をあらためているところです。

今日と明日の恵比寿2デイズの物販コーナーにも『猫と五つ目の季節』を販売しています。個人的には久しぶりのGOMES THE HITMANのライブだから、と久しぶりに出かけてきてくれる人にはぜひ読んでほしい本です。90年代やゼロ年代のバンドを知っている人には言葉以上に伝わる部分があると思うので。もちろん新しい人も初めての人もぜひ。自分についての自己紹介のような一冊だな、とも思うのです。まだまだ『猫と五つ目の季節』をよろしくお願いします。早く増刷していくつかある誤植をなおしたい。初版マニアの人、急いで!


オフィシャル通販STOREでのサイン入り本の購入はこちらから

Amazonでの商品ページはこちら  
Posted by monolog at 12:48Comments(0)TrackBack(0)

2015年11月18日

小説「猫と五つ目の季節」のこと15|発売から2週間でわかってきたこと

IMG_1850

11月3日に『猫と五つ目の季節』が発売になってから2週間が経ちました。東京から始まって新潟、福岡、佐賀、大阪、兵庫と回ってたくさん本を手にしていただいて、感想もいろいろいただいて嬉しい限りです。本屋に足を運んで様子を伺ってみると、音楽コーナーに置いてあったり、動物コーナーに置いてあったり、文芸書に名だたる著者の方々と並んでディスプレイしてあったり様々ですが、とにかく話に聞いていたとおり「小説」を売るのは難しいのだなということがわかってきました。街の小さな本屋には基本的に話題の作品しか置かれないし、ここに並びたい!という本屋に入荷がないことも多いし。日々精進の気持ちを胸に、小さなきっかけを祈る日々ですが、ライブ会場の物販で飛ぶように売れていく『猫と五つ目の季節』を見ていると誇らしい気分になります。

予算がないためにさしたる宣伝活動をしていないこの本が日経新聞の夕刊に載ったときも驚きましたが、先日はPECOという国内最大のキュレーションプラットフォームサイトにとても情報が掲載されたことにびっくりしました(こちら)。「山田さんの知り合いがいらっしゃるんですか?」とミルブックスから尋ねられましたがその存在すら不勉強で知らなかったのですが、とても丁寧に詳しく多面的に紹介していただいてとても嬉しかったです(どなたかファンの方が関わってるのだろうか、関係者の方いらっしゃったら連絡をください!)。こういうふうに紹介されたり、誰かが本についてコメントをしてくれると通販の注文が増えたりアマゾンのチャートが動いたりするから面白い。口コミっていうのはすごいのだな、と思います。

ペットロスの渦中だったり、家族を亡くしたときのことを思いだしてしまうからという理由で「読むのがつらい」と言う友だちも少なくなかったし、尊敬する作家先生から「猫がどうなるのか心配で心配で3章から先を読めない」と手紙をもらったときには自分自身がびっくりしてしまって、いろんな反応があるのだなと感じて、客観的に俯瞰的に物語を眺めることができるようになりました。猫を飼っていない人の感想も面白いし、猫がきっかけで仲良くしていただいている女優の川上麻衣子さんは「私もポチちゃんと一緒に過ごしたような読後感」とメッセージをくれた。犬派のライター赤尾美香さんも「家族となった動物を大切に思う気持ちは同じ、しかしながらその気持ちを全うするのは簡単なことじゃないと改めて思った」という感想を。うちの父親と小説のことで話をしたとき、僕が「猫好きの人の間で話題になったらなあ…」と言うと、すかさず父が「いや、これは猫でも犬でも人間でも、何にでも当てはまる話やで」と言い切ったのには驚いた(「いや、本心ではオレもそう思っとるっちゃけど…」と心の声で返したのです)。

2013年の『新しい青の時代』収録の「予感」でアイリッシュ・ハープを弾いていただいたtico moonの吉野友加さんは猫アレルギー、しかしとても素敵な感想を送ってきてくれた。ずっと思っていたのだけど、友加さんがハープを弾く仕草は(とても優雅なのだ)猫が毛繕いしている仕草に似ていて、「予感」を録っているときも「猫みたいだ」と考えて声には出さなかったことをさっき思い出しました。感謝。



山田さんの小説を読む。
山田さんから生まれた言葉を、
山田さんの声で脳内再生しながら。

それは山田さんの音楽を聴くように、
山田さんとお話しをするように、
軽やかな風を感じる時間でした。

音に乗った言葉も、紙に載った言葉も、
真っ直ぐな山田さんから溢れ出す言葉は、
変わることなく真っ直ぐに響いてきます。

アレルギーがあり猫を飼わないタイプの私は、
猫を飼う人たちの繋がりや、猫が傍にいる人生を羨ましく思いながら、
少しだけ身近に感じることが出来た作品でした。

吉野友加(tico moon)
  
Posted by monolog at 13:38Comments(0)TrackBack(0)

2015年11月13日

目利きに選ばれた|クロネコがポチを運んできた

昨日の夜のこと、友だちから小説『猫と五つ目の季節』が日本経済新聞の夕刊の書評コーナーで紹介されていると教えてもらってびっくりして、駅まで新聞を買いにいった。本の発売から一週間が経って「音楽コーナーに並んでいた」とか「動物関連の棚にあったよ」とか、「どこそこの丸善でちゃんと氏文芸書の棚に面出ししておかれていましたよ!」とたくさん報告をもらうのだけど、新聞に紹介されるなんて思っていなかったのでとても嬉しかった。『目利きが選ぶ3冊』というコーナーに載っていた。目利きに選ばれるなんて身に余る光栄。本を読んでくれた人の様々な感想が波のように押し寄せてきて、それぞれの物語が展開していくような感覚がある。

IMG_2424

そして今日、お昼少し前にクロネコ宅急便が荷物を届けにきた。中身はポチだった!フェルト作家の猫ラボさんとは確かトラベラーズファクトリーのライブのときに初めてお会いしたのだったか(猫ラボさんの小説への感想コメントはここで読めます)。その後、西荻窪「ペットショップに行くまえに展」での展示や先日原宿でのCat's ISSUEで彼女の作品を見てそのいきいきとしたフェルト猫の姿に感動したのだけど、なんと『猫と五つ目の季節』出版記念に、と羊毛フェルトのポチを作ってくれたのだ。はしもとみおさんがポチを彫ってくれたときもそうだったが、丸い身体に触ると勝手に涙が出るから不思議だ。心から嬉しい。顔や姿勢、模様、そして肉球まで本物そっくりだった。きっと僕のインスタを隅から隅まで見て作ってくれたのだろうな。

ポチは幸せな猫だ、とみんなから言われるけれど、僕も同様に幸せ者だ。


  
Posted by monolog at 20:33Comments(0)TrackBack(0)

2015年11月05日

小説「猫と五つ目の季節」のこと14|無事発売日を迎えました(吉祥寺パトロールとネットニュース)



11月3日が小説『猫と五つ目の季節』の発売日でした。アマゾンなどのネットショップも発送が始まった(アマゾンでの購入はこちらから)。ようやく昨日時間が取れたので、一般書店に本が並ぶ風景をようやく昨日この目で確かめることができた。CDがリリースされるときはだいたい決まって渋谷と新宿を視察に行くのだけど、今回はやっぱり吉祥寺が気になって、本屋パトロール。いつもの道沿いにある通い慣れた本屋に自分の書いた本が並ぶのはくすぐったいけどやっぱり嬉しい。吉祥寺界隈には僕が確認しているだけでも4つの本屋とカフェと定食屋、6店舗で販売してもらっている。「あら何かしら?この本は」と通りすがりの人に触ってもらえたらいいなと思う。

いろんな情報サイトでも発売日を機にニュースで取り上げてもらった。いつもお世話になっているナタリーは「お笑いナタリー」のほうで拾ってくれた(こちら)。昨日どきどきキャンプのサトミツさんに会ったら「山田さん、小説すごい良いです!」とまた褒めてくれた。CASA BRUTASにポチ実が紹介された記事が小説発売日にYahooニュースに取り上げられたのは偶然だろうか(こちら)。元記事はこちら、とても嬉しいタイミング。CINRAは予告編動画を組み込んだ記事にしてくれたが(こちら)、「メジャーデビューを果たしたがヒットが出ず、次のシングルが売れなければ契約を打ち切られる音楽家の<僕>と三毛猫ポチの13年間の暮らしを綴った物語」という要約にドキッとした。事実を書いたのだけど、あらためて考えると赤裸々で生々しいな。

今日は僕と同じくオイルショックの年に生まれたシンガーであり女優、声優とたくさんのフィールドを駆け回る宍戸留美さんからの感想コメントを。古い日記を調べてみたら留美さんと僕が初めて対バンしたのが2005年6月、場所は初めて足を踏み入れる恵比寿天窓switchだった。僕はそのライブがきっかけで「この会場、サイズも手頃で映像も使えていいなあ」とその年末からGOMES THE HITMAN恒例イベント“猫町オーケストラ”の会場をswitchに移したのだ。今年で10年!キャリア当初から事務所に所属しないインディペンデント/フリーランスの“アイドル”として茨の道を歩いてきた留美さんが<僕>の音楽家生活をどう読んだか、もっと詳しく感想を聞きたいな、と思いました。宍戸留美さんはクラウドファンディングでデビュー25周年(!)をお祝いするリリースを計画中。詳細はこちら



山田稔明さんの小説『猫と五つ目の季節』を読み終えて‥‥。
こんなに小さな命を愛してくれる人がいるんだと、感動しています。
それと同時に音楽家としての山田さんしか知らなかった私は、
こんなにも『猫の人』なのかと驚いてます。笑。

ポチちゃんを通して沢山の人とも交流して、心動かされ、学び、
音楽に支えられ、愛とは何かをこの本で教えてくれます。
本になってもっともっと沢山の人の心を動かすであろうポチちゃん、偉大!
最後は絶対に泣くだろうなと思って読むのがイヤだったんですが、
読まずにはいれない、音楽を奏でるかのようなリズムと空気感、
優しさに包まれるような幸せな時間でした。

本を閉じて、山田さんのInstagramをのぞくと、
そこには小説の中の世界が日常としてあり『はっ!』と声が出ました。
改めて、人も動物も生かされているもの同士、寄り添い愛しあっていたいと強く思います。

宍戸留美さん(歌手、声優)
  
Posted by monolog at 16:48Comments(0)TrackBack(0)

2015年11月03日

小説発売記念 感想文&写真コンテストを開催 #猫と五つ目の季節

小説『猫と五つ目の季節』発売記念 感想文&写真コンテストを開催します。
本日から年内いっぱい受付。詳細をミルブックスHPから以下に転載します。




山田稔明『猫と五つ目の季節』 感想文&写真コンテスト開催

山田稔明『猫と五つ目の季節』、Twitterやインスタグラム等SNSで早速たくさんの
ご感想をいただきありがとうございます。もっと皆さんの感想や愛猫たちと本との
ツーショット写真を共有したいと思いまして、感想文&写真コンテストを開催させ
ていただくことにしました。

せっかくなので著者の山田稔明さんにお願いして素敵な賞品もご用意いたしました。
山田さんのライブ会場で大人気となっているポチバッジの本コンテスト限定
バージョンを各10個、合計20名様(感想文バージョンと写真バージョンで
デザインが異なります。下の写真はイメージです)、物語のきっかけとなった
写真集「baby cat」や「猫返し神社の絵馬」など特別賞も。
応募は下記の要領でお願いします。


*ツイッター、インスタグラムで募集します。

*『猫と五つ目の季節』を読んだご感想を投稿お願いします。

*ツイッターの場合、1回140文字で書き切れない際はできれば2ツイート内でお願いします。

*投稿の際、必ず書き込みに【#猫と五つ目の季節】というハッシュタグを付けてください。

*『猫と五つ目の季節』とおうちの猫のツーショット写真も同じ要領で
【#猫と五つ目の季節】というハッシュタグを付けて投稿してください。

*投稿いただいた感想や写真は、山田稔明さんのHPやライブ等で
 紹介させていただく場合もあります。転載NGの方は書き込みの際にその旨をご記載ください。

*募集期間は2015年11月3日〜12月31日とさせていただきます。
 すでに【#猫と五つ目の季節】を付けて感想を書いてくれた方で参加いただける場合は
 期間中に再投稿いただけると嬉しいです。

*プレゼント当選者は著者の山田稔明さんによる選考で決定させていただきます。
 当選者には1月中旬頃にミルブックスからSNSを通じてご連絡させていただきます。
 発送先をお送りいただくメールアドレスをお知らせします。



皆様のご参加お待ちしております。一言でもいいので、気軽に投稿してください。  
Posted by monolog at 11:06Comments(0)TrackBack(0)

2015年10月30日

小説「猫と五つ目の季節」のこと13|いよいよ一般書店に並びます(入荷店紹介)

表紙_1_2_S吉祥寺キチムのライブから先行販売を開始し、通販プレオーダー分、ライブ会場と懇意にしているお店でも順次販売をスタートさせた小説『猫と五つ目の季節』がいよいよ、早いところでは明日頃から一般書店に並びます。下記に『猫と五つ目の季節』がお買い求めいただける店舗の一部を掲載しお知らせします。★印が付いている店舗では特典ポストカードが付きます。なお「ぜひうちのお店でも『猫と五つ目の季節』を取り扱いたい!」という書店、雑貨店、セレクトショップの皆様はぜひミルブックス、あるいはGOMES THE HITMAN.COMまで連絡いただければ嬉しいです。Amazonではもう発送が始まっているようですし、ネットショップのご利用も可能です。「本屋で買った本をライブに持っていったらサインをいただけますか?」という問い合わせが多く寄せられていますが、もちろん喜んでサインと猫の絵を描かせていただきますので(CDにも書きますよ)。ぜひ、小説『猫と五つ目の季節』をよろしくお願いします。


◎北海道
★たべるとくらしの研究所
紀伊國屋書店 札幌本店
三省堂書店 札幌店
文教堂 札幌大通駅店
ヴィレッジヴァンガード 札幌エスタ店
紀伊國屋書店 厚別店
紀伊國屋書店 オーロラタウン店
札幌弘栄堂書店 パセオ西店
札幌弘栄堂書店 アピア店
文教堂書店 琴似駅前店
文教堂書店 さっぽろ駅店

◎秋田
ジュンク堂書店 秋田店

◎宮城
紀伊國屋書店 仙台店
丸善 仙台アエル店

◎福島
宮脇書店 ヨークタウン野田店

◎新潟
★北書店
★ツバメコーヒー
知遊堂 亀貝店
知遊堂 三条店
ジュンク堂書店 新潟店

◎富山
文苑堂書店 清水町店

◎埼玉
東京旭屋書店 新越谷店

◎千葉
すばる書店 松戸栄町店
丸善 津田沼店
ときわ書房 八千代台店
宮脇書店 稲毛長沼原店
蔦屋書店 イオンモール幕張新都心

◎東京
★巣巣
★NAOT TOKYO
★青と夜ノ空
タワーレコード 渋谷店
ブックファースト 渋谷文化村通り店
丸善 丸の内本店
ブックエキスプレス 大崎店
ジュンク堂書店 池袋本店
くまざわ書店 池袋店
丸善 日本橋店
ジュンク堂書店 吉祥寺店
久美堂 小田急町田店
ブックファースト ルミネ北千住店
タワーレコード 新宿店
文雄堂書店
ブックファースト 自由が丘店
紀伊國屋書店 新宿南店
ブックファースト レミィ五反田店
明正堂 アトレ上野店
八重洲ブックセンター 本店
オリオン書房 ノルテ店
NET21往来堂書店 千駄木店
paper wall エキュート立川店
オリオン書房 小平店
PW国立店
あおい書店 中野本店
ブックスルーエ
ジュンク堂書店大泉学園店

◎神奈川
★moln
丸善 ラゾーナ川崎店
ブックスDO
八重洲ブックセンター 京急上大岡店
ブックファースト モザイクモール港北店
ヴィレッジヴァンガード 横浜Wポーターズ
小田急ブックメイツ 新百合ヶ丘北口店

◎静岡
BOWLららぽーと富士見店

◎愛知
★seant
MARUZEN 名古屋本店
未来屋書店 大高店
らくだ書店 東郷店

◎三重
別所書店 津駅店

◎滋賀
大垣書店 フォレオ大津一里山店
ジュンク堂書店 滋賀草津店

◎京都
★恵文社一乗寺店
アバンティブックセンター 京都店
大垣書店 京都ヨドバシ店
大垣書店 ビブレ店

◎大阪
★スタンダードブックストア心斎橋
★blackbird books
MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店
ジュンク堂書店 大阪本店
ブックファースト 曽根店
TSUTAYA 枚方駅前本店
ブックスキヨスク 森ノ宮店
喜久屋書店 阿倍野店
未来屋書店 箕面店
宮脇書店 コムボックス光明池店

◎奈良
★NAOT NARA
くまざわ書店 奈良店

◎兵庫
★チャッツワース
ジュンク堂書店 西宮店
ジュンク堂書店 三宮駅前店
ブックファースト 宝塚店
ジュンク堂書店 芦屋店
ジュンク堂書店 姫路店
宮脇書店 洲本店
タワーレコード 神戸店

◎岡山
喜久屋書店 倉敷店
丸善 ノートルダム清心女子大学店

◎広島
ジュンク堂書店 広島駅前店

◎鳥取
★一月と六月

◎山口
宮脇書店 宇部店

◎徳島
★aalto coffee and the rooster
★14g

◎香川
宮脇書店 本店

◎高知
明文堂 佐川店

◎福岡
紀伊國屋書店 福岡本店
ジュンク堂書店 福岡店
ゲオ 福岡土井店
丸善 博多店
ブックセンタークエスト 小倉本店

◎熊本
★しろつめ

◎長崎
★オレンジスパイス

◎宮崎
明林堂書店 南宮崎店

◎沖縄
ジュンク堂書店 那覇店  
Posted by monolog at 14:00Comments(2)TrackBack(0)

2015年10月29日

小説「猫と五つ目の季節」のこと12|本の厚さと重み

東京を皮切りにして、先週末の福岡と佐賀から小説「猫と五つ目の季節」を持っての最終目的地の見えない全国ツアーが始まった。CDを紙ジャケット仕様にした『新しい青の時代』の頃からCDの運搬がとても楽になった。プラスティックケースが割れる心配をしなくていいし、なにより薄くなったからだ。そして今回小説を物販として販売するために持ち運ぶときに、その存在感の手応えをあらためて感じている…。重くてかさばるのだ。たった10冊でも片手で持てないほど、これは愛しい面倒臭さだ。九州に連れていった本はほとんどが誰かのもとへ旅立ったので帰りはとても身軽だった。そしてまた僕は重たい荷物を抱えて新しい旅に出るのです。言葉は「乗り物」のようだ、と最近感じる。うまく乗りこなせば自分の思いや考えを誰かの知覚や意識に直接運ぶことができる。それは簡単単純にあっという間だったり、回り道を繰り返して時間がかかったりするけれども。

今日も友人知人から届いた感想コメントをいくつか紹介します。




ねこと暮らしている人は
(暮らしたことのある人も)
その時間がどれほどすてきなものか知っている。
ねこは、自由で、あそびずきで
気持ちのいい場所を見つけられる。
ごはんが気にいらないとプイと横をむき
すきなものは「くれくれ」と鳴く。
一日の大半をねてすごし
夜中に急に走りだす。
「いいね・・・」と声をかけると
しっぽをひょいとふり返事をする。

あきらめがわるく
でも、あるときから
すっとわすれる術ももっている。
旅から帰ってくると
「どこに行っていたの」と出むかえてくれ、
ひざにのり
ごろごろとノドを鳴らし
さむい夜はいっしょにねむる。
ときにわらい、
ときどき、おこり。
「ねこだから仕方ない」と思い。

『猫と五つ目の季節』は
山田稔明さんとねことの物語。
きらきらとしたひかりのような一瞬を集めたお話。
読みながら、黒ねこと重ね合わせ
うなずいたり、せつなくなったり。

ねこと暮らす人
ねこを愛する人へ。
ねこと暮らしたい人へ。
すこし、泣く・・・かもしれません。

広瀬裕子さん(作家)




小説を読むことの醍醐味は、誰かの人生の一部分を追体験できることだと思うんだけど、
山田さんのリズム感あふれる文章に引き込まれるうちに、猫を飼ったことがない僕に、
ポチと出会って看取るまでの日々を想像の中で体験させてもらいました。

ワクワクしながらキャリーバッグや猫のトイレを買いに行ったり、
不安な気持ちで病院に連れて行ったり、
そんなシーンを読むうちに、山田さんがまるで親ばかのように
猫について語っていた理由が身に沁みて分かりました。
読み終わる頃には、今まで考えたこともなかった
自分と猫との暮らしを想像しているのに気づいてちょっとびっくり。
だけど、こんな理想的な出会いを知ってしまった後に、
僕にも素敵な出会いが巡ってくるのか、ちょっと自信がないですが・・・・・・。

猫との暮らしのなかで、ひとりのミュージシャンが、自分の表現のあり方を
少しずつ確立していく姿もまたこの小説の魅力のひとつ。
重たくなりがちなテーマなのに、山田さんの音楽を聴いた時のように、
心が温かくすがすがしい気持ちになったのは、
物語と読み手に対する山田さんの愛に満ちていたからでしょうか。

飯島淳彦さん(TRAVELER'S FACTORY)




山田稔明さんの「猫と五つ目の季節」読了。
映像も音も匂いも手触りも伝わってきて、
読み終わるまであっという間の時間でした。
山田さんとポチのひとつひとつに「あー、わかる」と共感したり
自分の体験と重ね合わせたりするんだけど、
そういった個人的なことを超えて
小さな生き物がこんなにも誰かに大切にされている
という事実がとてつもなく幸せに感じられて、
途中から泣けて泣けて止まらなくなりました。

それにしても山田さんだけにおこる奇跡の展開には
ちょっと嫉妬してしまいます(笑)猫の人は必読。

猫ラボさん(フェルト作家)
  
Posted by monolog at 12:28Comments(0)TrackBack(0)

2015年10月23日

小説「猫と五つ目の季節」のこと11|音楽と音楽家、小説と小説家



実は僕にはアルバム制作中に必ず村上春樹のエッセイを読むというゲン担ぎがある。そうすると気が紛れたり、肺の中の空気が入れ替わったり、背筋が伸びたりするのだ。『新しい青の時代』のときは『サラダ好きのライオン』を、『the loved one』のときは『辺境・近境』を読みなおしていた。「猫と五つ目の季節」を書いているこの夏の間はずっと分厚い問答集『村上さんのところ』を息抜きにつまみ読みしました。ようやく時間ができたので“自伝的エッセイ”『職業としての小説家』とその後日談インタビューである「MONKEY」掲載の川上未映子との対談を読み終えて、いろいろ考え事をしてるところ。

本日武蔵小山で開催される“月あかりのナイトリスニング”では小説と本をテーマにトークとライブをするのだけど、僕が初めて意識的に“小説”を読んだのは、山本有三の『路傍の石』である。1937年に朝日新聞に連載開始され最終的には未完に終わった小説なんかを小学生の僕がなぜ読んだかというと父親が「面白いから読んでみらんか」と言ったからだ。本の内容よりもなぜ父がこれを、ということばかり考えた。東京に出てきて三鷹の山本有三記念館を訪ねた時は感慨深かった。ベストセラーになった村上春樹『ノルウェイの森』を背伸びして読んだのは中学2年生の頃で(中二病だ)心の病や性愛、若さゆえの葛藤のようなものを「やれやれ」とわかったふりをして、鼓動が密かに高まった。いつもクリスマスの頃になると『ノルウェイの森』を思い出すのは深い赤と緑のせいだ。思えばそれ以来ずっと僕の本棚には村上春樹の本が並び続けることになる。そういう読書遍歴などの話も今夜できたらなと思っています。

音楽を生業にする自分が小説を書くことに気恥かしさや不安がなかったというとうそになるけれども、『猫と五つ目の季節』は1枚のレコードを作るように丁寧に最後まで楽しく(そしてちゃんと苦しんで)完走できたし、これは自分以外の者には書き得ないし、自分以外の人間には書く必要のない作品だという自負がある。だからこそ『職業としての小説家』は僕にとって面白く示唆に富み、楽しい読書の時間だった。今このタイミングでこの本を読めたことが嬉しい。村上春樹の『アフターダーク』という小説には高円寺に暮らす“高橋テツヤ”という不穏な人物が登場するが、その人と同じ名前の音楽家から届いたメールはとても勇気づけられるものだった。今日はその感想コメントを紹介します。



餅は餅屋、なんてことわざもあるように、音楽家は音楽、小説家は小説を極めるのが本分だと、
個人的にはそう思っている。なのでミュージシャンの書いた小説なんて言われれば、
もうそれだけでハードルを上げて読んでしまう自分がいるのも本当のところ。

大切な友人であり、尊敬するシンガーソングライターでもある山田稔明君から
「タカテツさん、実は俺、今、小説書いてるんだよね」と話を聞いたのは
ちょうど半年くらい前のことだったか。
もうすでに仕上げの段階に来ているというその小説は
『猫と五つ目の季節』と名付けられ、静かに完成の時を待っていた。

結論から言えばこの小説はあらゆる意味で嬉しい「例外」となった作品だ。
ミュージシャンが書く小説なんて、という食わず嫌い的なイメージを一掃してくれる、
なんとも穏やかで素敵な本だった。山田君と親しくなってまだ数年。
知らなかったポチさんとの出会いや、ポチさんがもたらした幸福な日常の風景が
とても微笑ましく儚く感じられた。リリースされた順番こそ前後しているが、
山田君の最新アルバム『the loved one』こそ、
この『猫と五つ目の季節』のサウンドトラックと言えるのではないだろうか。
愛するものに捧げた音楽と小説。そう思わずにはいられない。

最後に、山田君。俺はこの先も「猫と暮らさない人生」を過ごすよ。
だってこれで猫や動物と暮らしてしまったら、いよいよ本当に結婚できなくなりそうだからね(笑)。

『猫と五つ目の季節』出版、おめでとう!

高橋徹也(音楽家)
  
Posted by monolog at 12:00Comments(0)TrackBack(0)

2015年10月22日

小説「猫と五つ目の季節」のこと10|あっという間に

小説「猫と五つ目の季節」が一般発売日に先駆けて誰かの手元に届き、早い人はもう読んで感想を寄せてくれる。実際、この原稿用紙800枚ほどの物語は「序章に惹き込まれたら2時間で」読めるらしい。お笑いコンビラブレターズの塚本さんは「夜中にさわりだけと思って読んだら全部読んじゃいました」と早朝に感想メールを送ってきてくれました。先日のキチムでピアノを弾いてくれた佐々木真里さんは読み進めながら「終わらないでほしい!」と思ったと感想をくれました。Twitterやブクログ、読書メーターなどにも本棚に追加されたり感想が流れてきて、ふむふむとそれらを読みふけるのが楽しい秋の夜長です。

今日も友人知人にいただいた感想をいくつか。明日は武蔵小山アゲインで「小説・本」についてトークとライブを。

post card_omote_S



本を読むこと自体は嫌いではないのですが
読むのはかなり遅い方です。
そんな僕が、一日で読むことがでる小説でした。
猫の話だったから・・・
山田稔明というアーティストの紆余曲折が書かれていたから・・・
理由は一つではないのでしょうが、
普通なら数日かけて読むところを
一日で読破してしまったのには
僕を夢中にさせる何かがあったのだと思います。

高山武樹さん(ラジオディレクター)





一気に読みましたが、いやぁ、愛が溢れるいい本ですね。
読みながらバックでは山田さんの歌がずっと聴こえているようでした。
私が知っている猫が大好きな山田さんのお話なんだけど、
別の人の話のような不思議な感覚。
大切な誰かを思うような恋愛小説にも置き換えられるなと。
映画を観てるようでもあり、やさしい気持ちにさせてもらいました。

長谷川ちえさん(エッセイスト、in-kyo店主)





季節をみつめる猫、猫をみつめながらその先の季節を感じる主人公のまなざしの優しさ。
きらきらとした葉山の海の色、日向でふっくらとした猫のにおい、ちいさな歌声。
そんな時間の移ろいがなんとも静かにあたたかで儚くて、物語の先を知りたいけれど、
終わって欲しくないような、そんな気持ちで読ませていただきました。
どうしたってどんな日もすべて愛おしく。また猫と暮らしたいな。

イシカワアユミさん(鍵盤奏者)
  
Posted by monolog at 21:14Comments(0)TrackBack(0)

2015年10月21日

小説「猫と五つ目の季節」のこと9|山下洋輔さんと猫返し神社




小説「猫と五つ目の季節」がそろそろ全国の皆さんの手元にも届くころでしょうか。通販プレオーダー分も連日発送、懇意にしているお店や書店でも先行販売がいよいよ始まります。どうかたくさんの(僕が想定しているよりもっとたくさんの)人に触ってページをめくって読んでいただけますように。装丁に関してはすべて完璧、とても美しい本ができたと自負しています。内容についてはぜひみなさんの感性でお楽しみください。どうぞ小説を手にした方はTwitterなどでハッシュタグをつけて(#猫と五つ目の季節)感想などを書いていただけたら嬉しいです。正式な発売日を迎える11月になったら140文字感想コンテストのようなものをやれたらと思っていますのでぜひご協力ください。

この小説のなかで主人公の<僕>が東京都立川市にある<猫返し神社>にお参りにいくシーンがあるのですが、これは事実に基づく話で(立川水天宮 阿豆佐味天神社といのが正式名称の実在する場所です)、動物病院での先生との会話に導かれて、巨匠ジャズ・ピアニストである山下洋輔さんのエッセイ本「猫返し神社」を読んだことがきっかけでした。そのことを山下洋輔さんにどうにかしてお伝えして御礼が言いたいと思っていたら、するするといろいろな縁が繋がっていって山下洋輔さんのコンサートに行く機会を得たのです。多分僕が意識的にジャズのコンサートを観るのはこれが初めてのこと。

結成27年の山下洋輔ニューヨーク・トリオ(ベース:セシル・マクビー、ドラムス:フェローン・アクラフ)の演奏はやんちゃで激しく優しくセンチメンタルで楽器同士が会話をしているような刺激的なものでした。山下洋輔さんと終演後に「猫と五つ目の季節」をお渡ししてお話をすることができました。僕のiPhoneのなかのポチとポチ実の写真を見せると目を細めて笑っていただいた。エッセイを読んで猫返し神社にお参りしなかったらポチ実も現れなかったかもしれないし、そうなるとこの本の存在もなかったという旨をお伝えして御礼を。「運命だね」と笑って話された山下さんは、それこそ “ダライ・ラマ法王”のような慈悲深い優しい顔をされていて、とても感動しました。

「セブン・テイルズ・キャッツ(7つの尻尾を持つ猫)」という、猫が鍵盤の上を駆けまわるような曲で始まったコンサートは、奇しくも「サウンド・オブ・ミュージック」の「My Favorite Things」で大団円。偶然か必然か、猫が招く物語はどこまでも続いていくのだなあ、と呆気にとられてしまうほどです。

  
Posted by monolog at 12:02Comments(0)TrackBack(0)

2015年10月17日

小説「猫と五つ目の季節」のこと8|ポチとマルオの子守唄

ご近所に住む音楽家、近藤研二さんと初めて会ったのは去年の11月。もうすぐ1年になるのだけど、いろんな出来事が詰まった濃密な1年だった、と改めて驚く。『the loved one』というアルバムは近藤さんとの交流がなければ今と違う形になっていただろうし、「ポチの子守唄」は近藤さんの魔法なしでは天まで届かなかったでしょう。時期を同じくして愛猫を亡くすという経験を共有したことも交流のきっかけだったかもしれませんが、僕の生まれ故郷鳥栖と近藤さんの久留米はほぼ同じ文化を持つ地域、方言も一緒ということで、頼れる先輩が現れた!という感覚がありました。「猫についての小説を書くことになったんですよー」と本の企画が立ち上がった頃からずっと話をしていましたが、なかなか物語と向き合うのに腰が重かった近藤さんから「猫と五つ目の季節」への感想コメントが届きました。明日は近藤さんのギターで物語を歌いたいと思います。

IMG_3263 IMG_0903



自分も登場人物のモデルになっていると聞いていたのでドキドキしながら読んだ。
山田くんと知り合ってまだ一年の僕は実際にはポチに会ったことがないので、
事実ポチの世話をしていたイトケンとミックスして「エンケン」という登場人物が
生まれたのだろうか。コンケンとイトケンで「エンケン」かー。

さておき、“事実は小説よりも奇なり”というが、僕が知っているここ一年のことは、
ほぼ脚色なしで描かれている。それでいてこんなにドラマチックな後半の展開があるのだから、
本当にすごい猫体験をしたものだなあと思う。序盤のポチが行方不明になるシーンで、
些細なことで何かを失うかもしれないという体験にとても感じ入って心を揺さぶられてしまったので、
そのワクチンのおかげで後半にかけての重い展開も冷静に読むことができた。

それでもやはり、自分も昨年愛猫を亡くしたばかりなので、なかなかズシンとくるものがあった。
だけれど、山田くんの天性の前向きさ、飄々とした慈悲深さと言うのか、
そんな「気」がどこの行間にも感じられて、彼の歌とまったく同じように心地よい読後感に包まれた。
『the loved one』 のまさに小説版だ。ポチとポチ実だけが本名の物語。
こんな作品をお兄ちゃんに作ってもらえるなんて。同じ愛猫家として少しジェラシーを感じる。

ここは是が非でも「ミーコ」をマルオという本名にして僕も何かを残したいものだ。
その時はポチは「ハチ」、ポチ実は「チミーコ」という名前になるので、よろしくね。

近藤研二(音楽家)
  
Posted by monolog at 23:49Comments(0)TrackBack(0)

小説「猫と五つ目の季節」のこと7|明日はいよいよ先行発売公演です

いよいよ明日は小説「猫と五つ目の季節」お披露目の先行発売公演です。吉祥寺キチムにて19時から、ほぼ満席、残り少しとキャンセル分の予約を受け付けていますのでご来場ご希望の方はお早めにお申し込みください。入場者特典のステッカーも完成しました。フードをカフェ長男堂に担当してもらいますが、「ミケ玉子焼き弁当」なるものを用意してくれます。長男堂店主曰く「やばいくらい美味しい」とのこと、いろんな催事で大人気のメニューだそうです。パッケージには僕が絵を描きました。お持ち帰りしやすいお弁当なので会場で食べるのもいいしゆっくりおうちで食べるのもいいでしょう。小説のなかでも重要な役割を果たす場所、人物のモデルにもなった、(ある界隈では)噂の長男堂の味を味わう良い機会になれば。今日はいただいた感想コメントのなかからお三方のものを紹介します。坂本千明さんは現在西荻URESICAで「猫の恩返し返し展」開催中。加古川チャッツワースも長男堂もその存在感とエッセンスは小説のなかに確かに潜んでいます。





新幹線で一気に読ませて頂きました。あいにく通路側の席だったため、途中何度も
「あ、ここまでにしておこう。さもないとボロボロの顔になる」と思いながら、
読み進める事を止められませんでした。
まず山田さん、よくぞこの物語を書き上げられましたね。
どんなにか大変な作業だったのではないかと思います。そこに心から尊敬します。

限りなくノンフィクション(ですよね?)のこの物語、冒頭からスッと引き込まれ、
いきなり第1章で胸がつまってしまい、自分でもよくわからない涙が出て
周囲にバレないようにするのが大変でした(途中で諦めて、もういいやと開き直りましたが)。

ポチとの出会いの場面、cafe+gallery芝生のユサさんからも伺って、自分なりに想像していた
葉山の情景が山田さんの言葉によって鮮やかに浮かび上がり、小説の中の言葉を借りれば
「猫と暮らす人生」の始まりであり「猫に選ばれた」瞬間でもある訳ですが、とても幸福で
眩しすぎる場面でした。それはとてつもなく甘美だけれど、反面必ずやってくる別れを
ほのかに予感させされ、たまらない気持ちになったのかもしれないのですが、
むしろポチが亡くなった場面よりも胸を突かれてしまったのです。ごめんなさい。

そして猫と暮らすことは、その出会いが全てなんだとすら思えました。
人間に比べたらとても短い猫の生涯に参加させてもらうという事がいかに幸運な事だろうかとも。
ポチ実の登場はブログでも拝見していましたが、やはりドキドキしてしまいますね。
改めて猫の摩訶不思議さに魅了され、神様アンタやるじゃん!とハイタッチしたくなる
清々しい気持ちで読み終えました。

読まれた方が自分の目の前の愛猫や、かつて共に暮らし、
忘れられない猫の記憶をギュッと抱きしめずにはおれない作品だと思います。

坂本千明さん(イラストレーター)




山田稔明「猫と五つ目の季節」には穏やかな日々の生活に主人公と猫のリアルな距離感の
描写とファンタジックな巡り合わせが描かれてゆく。上手く絞られた登場キャストにより、
主人公と猫の生活の心理描写に自然と深く引き込まれます。これは映画化が見てみたいな。
誰がポチとポチ実を演じる!?

紅茶と英国菓子の店チャッツワース 店主




僕とポチが登場すると聞いていたので、
てっきりエッセイ本なのかと思っていましたら、
紛うことなく「小説」でありました。

ポチと僕。出会いはよそよそしいものの、
ある時からイチャコラを見せつけられ、
なんとも見ている(読んでいる)こちらが恥ずかしいカップルの物語…
と言う目線で読んだならば、途中登場する定食屋の女がっ!!クソっ!
となるのが少女漫画の定説ですが、そこはさすがの山田さん。
登場人物すべてが優しく悪い人は誰もいません。

物語の終盤は電車やカフェなど人前で読んではなりませぬ!

そして最後に一言。
半分くらい現実が混じっておりますが、これはフィクションの小説であります。
どこかで聞いたことがありそうな定食屋が出てきますけれど、物語の中の話。
架空ですから!現実とごちゃ混ぜになさらぬよう願います(笑)。

カフェ長男堂 店主




2015年10月18日(日)@ 吉祥寺 キチム
山田稔明「猫と五つ目の季節」発売記念ライブ
LIVE “猫と五つ目の季節”

18:30開場19:00開演/前売4000円(ドリンク代別途)
出演:山田稔明 with itoken、近藤研二、佐々木真里、海老沼崇史、上野洋
フード:カフェ長男堂
*チケット取り置き予約受付中
キチム
〒180-0004
武蔵野市吉祥寺本町2-14-7 吉祥ビル地下1階   
Posted by monolog at 12:38Comments(0)TrackBack(0)

2015年10月16日

小説「猫と五つ目の季節」プレオーダー受付中|特典ポストカード完成!

全国からたくさんのお申し込みをいただいている小説「猫と五つ目の季節」、ライブ会場物販とオフィシャル通販でご購入の方に差し上げる特典ポストカードが完成、今週末のキチム公演での販売分に間に合いました。2000年の冬、葉山にある斎門富士男さん宅で撮影された僕とポチのこの写真はその翌年2001年にリリースされたGOMES THE HITMANのシングル「饒舌スタッカート」のジャケットになりました。撮影時にポチは斎門さんの家の猫で僕の猫ではありませんでした。いわば出会いの1枚ですが、この写真でポストカードを作るのは初めてのことで、なんと15年越しに実現。とても感慨深いです。大事な誰かへの便りや栞代わり、壁に貼ったりしてもらえたら嬉しいです。




小説「猫と五つ目の季節」プレオーダーはオフィシャル通販STOREにて受付中!



  
Posted by monolog at 23:15Comments(0)TrackBack(0)

2015年10月14日

小説「猫と五つ目の季節」のこと6|ロングインタビュー

小説「猫と五つ目の季節」についてインタビューを受けました。
ミルブックスのサイトに掲載されたものを転載します。

DSC00039


ーこれが初小説ですよね。

山田 本格的な小説を書くのは今回が初めてですが、12年ほど前に短編小説を書いてみないかというお話をいただいて、少しだけ書いたことがあります。 僕がやっているGOMES THE HITMANというバンドで『omni』というアルバムをリリースした頃でした。
その時は完全なフィクションを書いたのですが、自分のやりたいことと少し違うと思ったんです。元々文章を書くことは好きだったのですが、何かしっくりこなくて。書くこと自体は楽しかったのですが、1本書いたところで筆が止まってしまいました。1本だけ書いた短編は「夜の科学」というタイトルで、ある冊子に掲載してもらいました。

ー東京外語大学で英米語学を専攻していたそうですが、その時には文章を書いていたのですか。

山田 英米文学をたくさん読むようになって、文章に慣れ親しんでいましたがバンド活動に熱心で、文章は書いていませんでした。でも、それよりさらに遡ると、小中学校の頃は国語の成績はずっと5で、子ども心に漠然と自分はこの能力で生きていくことになるのかなという思いがどこかにありました。

ー小学生の頃に詩が新聞に載ったことがあるんですよね。

山田 小学校の低学年の頃に書いた「夜のカーテンがおりてくる」という詩が朝日新聞に載って、小学校6年生の時に作文コンクールで優秀賞を取ったことをよく覚えています。自分では何を書いたか全く覚えていないけれど、未だに小学校の頃の友人と会うと、「山田のあの作文がすごく良かった」と言ってくれます。その友人は作文の内容まで記憶していて、「まるで自分が体験しているような文章で、感動した」と言ってくれました。

ー大学時代に結成したGOMES THE HITMANは、最初から日本語の歌を歌っていたんですか。

山田 結成した頃から僕の書いたオリジナル曲を演奏していたのですが、最初は英語詞でした。でも小沢健二の『犬は吠えるがキャラバンは進む』というアルバムに出会ってからは、何を言っているのが聞いている人に伝わらない英語で言葉を書くことを無駄に思うようになったのです。伝えたい熱いメッセージがあるわけではないけれど、自分が書く言葉をちゃんと理解して聞いてもらいたいという欲が出てきて、それから歌詞を日本語で書くようになりました。その頃から、曲を書くことは歌詞を書くことだという認識に変わっていきました。今でもそう考えていて、聞いている人に言葉の意味がちゃんと伝わるように意識して曲を書いています。

ー大学時代に書いた日本語のオリジナル曲は、風景描写がいいと評判になったという場面が小説の中にも登場しますが、それが自信にもなったんですかね。

山田 周囲の友人たちに最初に評価してもらったのが、歌詞の風景描写でした。僕は大きな声で伝えたい強いメッセージは特になくて、丁寧に風景描写をすることで何かを伝えることをしたいと考えています。それもあって、心理描写を避けて表現しているのだと思います。俯瞰して、遠くから眺めた風景を子細に綴っていくのですが、それは風景画を描くことに似ているかもしれません。

ーこの小説にも、作詞で培ってきたその手法が生かされていますよね。心理描写を積み上げていくタイプの小説は多いですが、あえてそれをしないで日々の風景や季節の変化、日常の機微を丁寧に書くことで、誰もが自分のことに置き換えて読むことができる物語になっていると思います。

山田 初めてこれだけ長い小説を書いてみて、自分の性格や、こうやって伝えたいというのが素直に文章に投影されるということを感じました。いつも人に何かを伝える時に、何があっても声を荒げることはしたくないというのがあって、それが小説の文体にも表れていると思います。

ー猫とのことを小説にして欲しいと依頼があった時は、正直どうでしたか。

山田 ポチが亡くなって、その後に起きたことの流れが自分でも信じられない奇跡の連続で、その時間軸を客観的に見て面白いと思っていたから、それを何かしらに残したいとは思っていました。数年前から『MONOLOG』という冊子を作っているので、そこにエッセイとして書いてもいいかなとか、ぼんやりとは考えていました。でも、小説にしないかと言われて、すっと腑に落ちましたね。

ーほぼ即答で「たぶん書けると思います」と言っていましたよ。

山田 ポチと暮らし始めた2001年の秋、最初に動物病院に連れていった時から看病日記をつけていたし、その後もポチのことをずっとブログに書いていて、この13年間を綴った膨大な記録を何とか形に残したいという気持ちはありました。看病日記には診察内容、病状以外に診察代も詳細に記録してあって、その看病日記を元に、猫を育てるための指南書としてエッセイにまとめることもできるかなとも思っていました。初めて猫と一緒に暮らす人が読んだら「こんなに面倒でお金もかかるものなのか」と思うだろうなと。小説と言われた時、それも上手いこと落とし込みながらまとめられると思いました。それに、「ポチが死んでしまって悲しいな。今までありがとう」だけで完結していたらあまり前向きな話にはならないのですが、嘘みたいな続きがあって、その日々が今も続いているから、小説という形でまとめることができる、と直感的に思ったのかもしれません。

ーまず古今東西の猫が登場する小説を山田さんに大量に送って、それを読んでもらうことから始めました。それ以前に、猫を題材にした作品は読んだり観たりしていましたか。

山田 もちろん猫好きなので、いろんな作品に触れてきましたが、あのタイミングで改めて猫の物語を読んでみて、とても面白かったですね。僕も猫への偏愛ぶりを指摘されることは多いのですが、送ってもらった作品を読んで、みんな同様に猫への強い愛情を持っていることに安心しました。猫への偏愛ぶりを書いた作品がこんなにたくさんあるのだから、僕もおおっぴらにポチへの愛を書いても大丈夫だって自信をもらいました。もちろん、愛情の温度も距離感もそれぞれ違っていて、そこも興味深かったですね。


  続きを読む
Posted by monolog at 18:25Comments(0)TrackBack(0)

2015年10月13日

小説「猫と五つ目の季節」のこと5

小説「猫と五つ目の季節」プレオーダー受付始まり、たくさんのお申し込みをいただいて感激。とてもうれしいです。プレオーダー分には特典ポストカード(「饒舌スタッカート」のジャケットに採用された斎門富士男さんの写真で15年越しで初めてカードを作りました)を同封してお送りします。大学時代から僕を知る友だち(読書家)が「猫と五つ目の季節」を読んで、「英米文学を読み込んだ山田らしく文体がカラッとしてて淡々としているところがよかった。泣いたけどな」とメールをくれた。嬉しい言葉でした。今日も一足先に小説を読んでもらった友人知人から届いた感想コメントを紹介します。小説予告編(音楽は近藤研二さんです)とあわせてお楽しみください。

post card_omote_S



ある程度は想像していたものの、こんなにずーんと来るとは心の準備もなくうかつでした。
ポチとポチ実と、山田さんの暮らしを一緒に過ごしてきたような錯覚にもなり、
自分が猫と暮らしていた短い一時期の記憶とも重なって、
幸せな記憶とともに、息苦しかった記憶も蘇ってきます。

それでも変な言い方ですが、山田さんがこの本を書いてくれて「ありがとう」と言いたい気持ちです。
今は「猫のいない暮らし」の日々ですが、山田さん含め
友人知人たちの猫の愛されっぷりのおかげで、なかなかな擬似猫ライフを過ごしています。

ユサさん(cafe+gallery 芝生 店主)




<猫と暮らす人生>を選んでよかった、と幸せな気持ちになりました。
もちろん、いずれ訪れる別れを思うとつらくて考えたくはないけれど、
それに勝る幸せとご縁をもたらしてくれると、ポチやポチ実に教えてもらいました。
文章から伝わってくる季節の匂いや空の色からは、めぐる生への期待も感じて。
そして今を大切にしよう!と愛猫ミルーをなでまくり、嫌がられました…

強く美しい生き物、猫に感謝。

イナキヨシコさん(イラストレーター)




山田稔明さんの愛猫ポチの写真絵本「ひなたのねこ」の巡回展で
molnにポチの写真が並んだ時、誰もが目を細めながら、
山田さんが撮る、なんでもない日々に生きるポチの写真を眺めていた。
その時にはポチはもうこの世界にはいなくて、わたしは開店前の誰もいない店内で、
スクリーンに次々と現れるポチの愛らしい姿に、涙が止まらなかった。
ポチには天性の魅力があり、それは愛されて暮らし、より内側から輝いていた。

言葉を交わさなくとも、ふたりは何もかも分かり合える相棒であり、共同体。
出会いから始まるふたりのストーリーは、お互いの可能性を広げる、
欠くことのできないピースを持ちあった、運命の相手だったのですね。
そして、運命の人は、けして愛する人を悲しませないよう、
新しい季節を残して旅立つのだと、永久不変の愛を感じました。

佐々木 綾さん(鎌倉 moln 店主)




山田さんとは同世代、地方出身で、表現側と裏方の違いこそあれ、
同じ業界で同じ時期を過ごしていたため、さまざまなことが他人事とは思えず、
自分のことのように読みました。共通点は数え上げればキリがないです。
ポっちゃんの最期は涙が出ました。一方、山田さんが書かずにおれなかった気持ちもよくわかります。

今、わたしは写真の町シバタという活動をしていて、
今年は、さながら個人プロジェクトのようになっているのですが、
「日常の記憶と場所を結ぶこと」を目的に、自分はそのまちの記憶の司書のような役割をイメージしています。
日常の描写の記録は少なく、生活者の大半は「言葉の記録を持たない」人たちだと思っています。

写真や音楽とは、そういう媒介となり、古くは民話や民謡がその役割を果たしてきたのかもしれません。
山田さんも言葉の人で、わたしは自分を司書と言いましたが、山田さんは語り部であり、書き手であり、
そういう役割を持っておられるのだな、と感じてこの小説を読みました。
どうぶつも言葉を持たないけれど、表現豊かな生活者であり、学ぶことは多いです。

原 亜由美さん(写真の町シバタ)




猫と暮らしたことのある人なら泣かずにはいられない。
わたしは途中でちゃんと読むことができなくなりました。
全部本当にあったことだから。

でもそのあとには奇跡のような出会いが待っていました。
まるで映画のようだけど、本当のお話。

猫を愛し、関わる人たちが
山田さんの音楽で泣けてくるのはなぜなのか
この本を読むとよくわかります。

自分の「猫愛」はだれにも負けないという自信があったけど
ポチへの愛には及ばないかもしれない・・・少しだけくやしいです。

西村 麻衣子さん(むさしの地域猫の会)




  
Posted by monolog at 09:58Comments(0)TrackBack(0)

2015年10月12日

小説「猫と五つ目の季節」オフィシャル通販プレオーダー受付を開始しました



山田稔明が初めて書いた小説「猫と五つ目の季節」のオフィシャル通販プレオーダー受付を開始します。プレオーダーに関しては送料無料、サインを描き入れて、特典ポストカードも付いて、発売日よりも2週間ほど早く10月20日頃の発送開始となりますのでアマゾンで買おうと思っている方は通販を利用するほうがお得です。10月18日吉祥寺キチムでのライブが本のお披露目、初売りとなり、キチムにお越しいただいて小説をご購入の方にももちろん特典ポストカードがついて、さらには特典ステッカーも差し上げます。スタンダードブックストア心斎橋や北書店などイベント関連店では発売日に先駆けて販売する場合がありますので、こちらも追ってお知らせします。

まずは渾身の予告編ムービーをご覧ください!

*オフィシャル通販STOREでのご購入はこちら!

<書籍情報>
タイトル:猫と五つ目の季節
著者:山田稔明
出版社:ミルブックス |2015年11月3日 発売 価格1300円(+税)
四六版 ハードカバー 176ページ ISBN978-4-902744-79-8 C0093

音楽家の<僕>が愛猫と過ごした愛おしい季節
三毛猫ポチが招き入れた奇跡の物語

日々のささやかな風景を鋭い感性で繊細に描写した歌詞で定評のある
シンガーソングライター・山田稔明(ゴメス・ザ・ヒットマン)が
愛猫と暮らした13年を魂込めて綴った、自伝的初小説。  
Posted by monolog at 19:05Comments(1)TrackBack(0)

2015年10月10日

小説「猫と五つ目の季節」のこと4



初めてのCDができたとき両親はそれなりに喜んで、何十枚も買い込んで親戚や知り合いに配ってまわっていたけれど、それが20年近く経つと新作が出ても「あら、そうね」と全然興味を示さなくなります。しかし本、ましてや小説となると“威厳”のようなものがあるのか、出版報告をすると(父も母も小説中に登場するので伝えざるをえなかったのです)「へえ!」と父母とも驚き、「あのお笑い芸人の人のようにベストセラーにならんやろか?」と父母ともに言い、『火花』の市井への影響力の大きさを再認識したのです。

そしてついに本が完成したので一足先に両親に贈ったら、すぐに電話がかかってきた。父はまず「誤植があるぞ」といい、主人公が“稔明”の名前ではないことを指摘。エッセイだと思って読んでいたのでしょう、いろいろ説明して納得してもらい、「お父さんがいっぱい売っちゃるわ」と言う。で、今朝早くに何回も母親から電話がかかってきて「あんた、誤植があるよ」とまた言うので聞けば「サクラの木」が「サワラの木」になっとるばい、と。しかしそこは僕は「サワラの木」のことを「サワラの木」と書いたわけで、そう説明するとオカンは安心したように「あら、そうね」と言い、「お母さん、もう50冊知り合いに売ったけん全部サインいれてはよ送らんね」と言い残して電話を切った。多分、誤植の妖精というのがこの世界にはいるので、誤植のない本など存在しないのだ。僕はすでにひとつ脱字を見つけたから早く増刷になって修正できたらいいなと思う。

本を作ってみて、こんな小さな字をもう父も母も読めなくなったり読まなくなったりしてるのではないか、とか、小説を最後まで読むような集中力をもう年寄りだから持ち合わせてないのではないか、とかいろんなことを考えたのだけど、あっという間に読み終えた両親の声を聞き、CDと違って再生装置が要らない本というのは数千年も続く根源的なエンタテインメントなのだなと当たり前のことを改めて思ったのです。ちゃんと感想を聞きたいような、聞きたくないような。しかしちょっとした親孝行にはなったのかもしれません。

さて、本日発売のCASA BRUTUSの「LIFE@PET」というページで愛猫ポチ実が紹介されています。丁寧に取材をしていただき素敵なページになっています。ぜひ書店、コンビニで手にとってみてください。




表紙_1_2_S
 猫と五つ目の季節 山田稔明

 出版社:ミルブックス |2015年11月3日 発売 価格1300円(+税)
 四六版 ハードカバー 176ページ ISBN978-4-902744-79-8 C0093
 近日中にオフィシャルサイト通販にてプレオーダー受付を開始します(特典カード付)
  
Posted by monolog at 12:00Comments(0)TrackBack(0)

2015年10月09日

小説「猫と五つ目の季節」のこと3

昨日のこと、完成した小説「猫と五つ目の季節」を持っていろいろお礼参り。CDができると必ずヒット祈願に行くのが深大寺、昨日も気持ちのいい空気でした。そして今回は小説のなかでも重要な立川水天宮 阿豆佐味天神社、通称“猫返し神社”へも報告とお参り。ここへ来るのはポチが亡くなったすぐ後、ポチ実がうちの猫になった後、そして写真家の下村しのぶさん(「おばあちゃん猫との静かな日々」著者)に付き添って以来の4度目だが、いつきても溢れる愛とか優しさに胸がいっぱいになる場所。

引き続き友人知人から一足先にいただいた小説への感想を紹介したいと思います





すごいラブストーリーを読ませてもらいました。「これでもか」というほどのラブストーリー。
人を想う気持ちよりもピュアで、ストレートで汚れも誤魔化しもない、愛情だけが詰まった物語。
山田さんとポチの日々を覗き見させてもらい、芳恵さんの言葉をきっかけに共に泣けて幸せでした。
自分は優しく染み込んでくるような山田さん楽曲の一ファンなんですが、読んで納得です。
「こんな人ならそりゃそうだ!」と、少し笑ってしまいました。すべてはポチに感謝です。

塚本直毅さん(お笑いコンビ ラブレターズ)




友人としてバンドのメンバーとして、近くで見て聞いて体験もした山田稔明とポチの愛すべき
物語を「ああ、そうだったなあ」としみじみと思い返したり、「へえ、そうだったんだ」と
知らなかった事実に驚いたりしながら夢中になって最後まで読みました。
自分も猫を飼うようになった今、彼とポチの寄り添いながらの暮らしにはいっそう深く共感を覚え、
別れの場面ではもし自分の猫がそうなったらと想像も重なり、何度も何度も涙で文字が滲みました。
そして物語の最後に訪れた奇跡に改めて拍手を送りたくなりました。

愛するものと暮らすことの喜びが丁寧に紡がれた言葉の端々から伝わり、猫を飼っている人は勿論、
飼っていない人も読後に豊かであたたかな気持ちになれると思います。彼の自伝的青春小説としても、
猫を飼うに当たっての指南書としても読める1冊です。
個人的には厳しくも優しい猫先輩が与えてくれた教科書だと思い、
何度となく読み返そうと思っています。傍に眠る猫の姿を眺めながら。

五十嵐祐輔さん(fishing with john)



猫たちへの愛情、運命的なつながりがすごいなと思いました。
葬儀を終えて号泣するシーンでは、私も一緒に泣いてしまいました。
愛猫ポチを見て曲や詩が生まれる場面は、ミュージシャンならではの
描写が素晴らしかったです。随所に書かれている猫に関する豆知識は、
長年猫と一緒に暮らしている私も知らないことがたくさんあって、
そこも面白く役に立ちました。

木下綾乃さん(イラストレーター)



ものごころをついたときから家に犬がいた。秋田犬、ハスキー、雑種、
大学で実家を出るまで何匹の犬と過ごしたのだろう。覚えていないなんて
なんて薄情なのでしょう。結婚して娘ができて彼女が4歳(くらい)のときに
犬が飼いたいと言い出してミニチュアダックスフンドがやってきた。そして今も一緒にいる。

犬は人につく。言葉の通り妻についている。私にはそっけない。
散歩にいきたいときだけ近寄ってくる。あとは大体眠っている。

猫と暮らしたことがない。いや、よく考えてみれば、
猫に触ったこともない。猫が生活の中にいなかったのだ。

この本を読むと猫と暮らす人の気持ちがよくわかる。すべては猫を中心に回っているんだ。
世界中の人が猫と暮らせば争いは減るんじゃないかあとさえ思った。だってやることがたくさん
あるんだもの。お世話はもちろん、写真もいっぱいとらなくちゃならないし。

「人間には、猫と暮らす人生と猫と暮らさない人生、その二つしかない」ってセリフがあった。
犬と暮らす人生もあるよと小さな声を心の中だけで漏らした。そう、普段はちっとも犬のことなんて
見向きもしなかったのだけれど、そんな気持ちになり、いつもより遠くまで散歩に行き、嫌な顔を
されるくらい体をなでるようになった。

自分の生活にかかわるものに、もっと愛情を持ってかかわらなければ、
そんな風に思って本を閉じると、心にスーッとやわらかな風が吹いた。

庄野雄治さん(アアルトコーヒー)




きらめくフィルムの世界のように、その情景が目に浮かんでは消えました。
そして、不覚にも泣いてしまいました・・。

少しずつ変わっていく毎日やその中の悲しみや喪失感でさえ、
すべて愛おしく感じました。
だから喜びってあるのでしょうか?
だから希望の季節がやってくるのでしょうか?

宮川 敦さん(風の栖、NAOT)
  
Posted by monolog at 08:29Comments(0)TrackBack(0)

2015年10月07日

小説「猫と五つ目の季節」のこと2

昨日のこと、初めて書いた小説「猫と五つ目の季節」の本が刷り上がって、ついに手元に届いた。CDができあがったときと同じように嬉しく、さらには単行本の手触り、重さ、インクの匂いは新鮮で新しい喜びでした。カバーを取った表紙の柄、「花布(はなぎれ)」と呼ばれる背の上下につく飾り布の色、栞の色味までまでこだわらせてくれたミルブックスに感謝。きれいで素晴らしい本ができあがりました。

これから数回にわけて一足先に物語を読んでくれた友人知人からの感想コメントを紹介していきたいと思います。

DSC00017_book




小説読ませてもらいました。
もう、泣きましたよ。
山田さんにしか書けない物語ですね。
ポチが亡くなったときの壮絶な悲しみをこれを読むまで
私は想像できておらず、申し訳ない気持ちになりました。
「猫を飼うものと、飼わないもの」という言葉がずっしりときました。

山田さんにとって、兄妹であり子どものような存在だったのですね。
一人の家族なんだなあって、いまさら!と思われるかもしれないけれど
猫を飼ったことのない私にも一人と一人が愛情で繋がっているんだっていう
当たり前のことを教えてくれたように思います。

とても優しくて、力強い物語でした。

高橋久美子さん(作家、作詞家)




書かざるをえない小説を書かれた、という感じがしました。
言い方を変えれば、ポチが書かせてくれた小説。
『the loved one』と『猫と五つ目の季節』はきっとセットで、
山田くんにとって人生を振り返らせるいい機会だったんでしょう。

僕はこれ小説というより、長いエッセイのように読みました。
ほとんどフィクションを感じない。
山田稔明という人物の十数年を重ねて読みました。
音楽と猫、それにまつわる友人たち。
ここには山田稔明という人のいつわりない立ち姿があらわれている気がします。

清水浩司さん(映画「夫婦フーフー日記」原作者、小説「コブルストーン」著者)



猫と暮らす人生と猫と暮らさない人生。
主人公は吸い寄せられるように猫と暮らす人生を選んだ。
思えば、人生の選択なんてこんなことなのかもしれない。
猫と暮らすその日々は恋愛そのものであり、それ以上であり、生命と生命の繋がりであった。
僕ならどうするかな?そんなことを考えながら読むと、嬉しくも楽しくもあるし、ちょっと怖くもあった。
新しい恋愛小説、おにいさんとかわいい猫との胸きゅんラブストーリーをどうぞ。

佐藤満春さん(お笑いコンビ「どきどきキャンプ」、構成作家)




これは家族の物語。家族の在り方は今、多様化している。昔のように
お父さんとお母さんがいて、子どもが2人、おじいちゃん、おばあちゃん、
みたいな家は減っている。私の知り合いの男性は男性のパートナーと暮らし、
代理母が産んだ赤ちゃんを、お母さんも手伝って3人で育てている。
ものすごく幸せそうで自慢げな写真がアメリカから送られてきた。
家族って、当人たちが「自分たちは家族」と思ったら家族なんだ。
家族は自分たちで作っていくもの。そして社会はそれを支援すべきだ。

山田稔明さんの「猫と五つ目の季節」は山田さんと猫のポチがいかに
家族になって行ったか、それを描いている。ポチは言葉が話せないから
山田さんはポチのことを分かろうと懸命に努力する。ポチは最初戸惑いながらも、
徹底的に甘える。これ以上深くなることがあろうかという家族愛。
と同時に多くの芸術家に「ミューズ」がいるように、
ポチは山田さんにとってのミューズでもあり、作品を生み出す源でもある。

こんなに素晴らしい家族に巡り合え、絆を深め、共に過ごせた山田さんと
ポチがうらやましい。絶対的な信頼と愛。何人もそこに入り込めない。
でも同時に、周りにふたりの絆は温かく広がって行きもする。多くの仲間を呼ぶ。

素晴らしく、理想的な家族の物語。
優しくて、しかし、やがて悲しく、そして、驚きがある。
猫が好きなに人もそうでない人にも。どんなに時代が移ろうと。普遍的な家族の物語がここにある。

和田靜香さん(音楽ライター。著書に『おでんの汁にウツを沈めて』『評伝・湯川れい子 音楽に恋をして』等)



愛する者への 世界一長いラブレター。山田くんにニャオキ賞をあげたいくらい素晴らしい。

杉真理さん(シンガーソングライター)
  
Posted by monolog at 10:07Comments(0)TrackBack(0)

2015年10月05日

小説「猫と五つ目の季節」のこと



今日は11月3日に発売になる小説「猫と五つ目の季節」に関しての取材だったのだけど、インタヴュアーの方に「この小説には悪い人が出てきませんよね?」と訊かれて「あ、本当だ」と答えた。喜怒哀楽の感情のなかの「怒」がほとんど出てこないことにも気がついて、自分らしいなと改めて思ったのです。この小説を書きはじめた最初のころ、主人公は僕とは違う名前を背負っていたのだけど、ある段階で思い切って「僕」のことを「山田」と呼んでから筆の進みが俄然スムーズになった。徹底的に自分自身を主観し、客観し、俯瞰して、感情移入もして、最終的には自分の半生を反映した私小説になった、と思う。「音楽を作るときとどう違いましたか?」と聞かれる前に僕が「音楽を作るときとほとんど同じような感覚でした」と答えたので意外な顔をされて面白かった。明日本の形になったものが届くのでまた新たな感動とか感想が生まれるのかもしれないが、今自分を取り巻く暮らしのなかに「悪い人」がいないことに気付かされてちょっと感動している。

この小説のお披露目、どこよりも早い発売記念イベントは物語の舞台である吉祥寺でやりたかった。今年の夏に友人のお別れ会が開かれた雰囲気が忘れられないほど素晴らしかったので吉祥寺本町のキチムを会場に選んだ。ロヂャースといういろんなものが安いお店が吉祥寺にはあって、僕はそこで2001年からずっと猫のごはんを買って、レコード屋や本屋やカフェに寄り道して「ただいま」と猫の待つ玄関を開ける日々を暮らしていている。キチムでのライブはきっと特別なものになるだろうなと思う。チケットはあと残り少し、ぜひ皆さんにお越しいただけたら嬉しいです。


表紙_1_2_S2015年10月18日(日)@ 吉祥寺 キチム
山田稔明「猫と五つ目の季節」発売記念ライブ
LIVE “猫と五つ目の季節”

18:30開場19:00開演/前売4000円(ドリンク代別途)
出演:山田稔明 with itoken、近藤研二、佐々木真里、海老沼崇史
フード:カフェ長男堂

物語の舞台となる吉祥寺での発売記念イベントが決定
オフィシャル通販STOREチケットセクションにて受付中
予約入場特典として特製ステッカーをプレゼントします

キチム
〒180-0004
武蔵野市吉祥寺本町2-14-7 吉祥ビル地下1階 

  
Posted by monolog at 23:57Comments(0)TrackBack(0)

2015年09月09日

山田稔明、初めての小説「猫と五つ目の季節」が発売になります

初めて小説を書いたのです。

僕は2001年にポチを飼い始めたときからずっと猫についての日記をつけていました。うちにやってくるなりポチは怪我や病気で病院通いが続いたので、それは「猫の看病日記」というタイトルで綴られました。10余年を元気に楽しく暮したポチでしたが、2013年からその日記は再開されることになり、去年ポチは15歳で旅立ちました。ポチのことを想うとき、いいときのことも悪いときのことも、本当に些細なことまでなんでも思い出せます。

猫についての小説を書いてみないか、という話をいただいたのは去年の晩秋でした。ポチ実という、死んだポチに瓜二つの仔猫が現れて、「信じられない」「奇跡だ」とか「できすぎた漫画みたいだ」とかいろんな反響がありましたが、「事実は小説よりも奇なり」を実際に体験して、エッセイを書くよりもそれを物語に昇華したい、と僕も思ったのです。年明けに草稿を書き、最新アルバム『the loved one』制作期間を経て、6月からひと夏をかけて原稿用紙200枚くらい書き散らし、組み立てて、まさに今日すべて脱稿したところで、まだあまり実感がありませんが、僕が書かなければならなかったものが書きあがったと思います。推敲の作業はまるでアルバムの曲順を並べたりミックスの微調整と同じで果てしなく、キリがなく、ものづくりの面白さと奥深さを改めて実感しました。

猫に九生ありということわざがありますが、奇しくも今日は9月9日、ポチ実がうちの猫になってからちょうど1年のこの日のタイミングに、胸を張ってこのお知らせができることを幸せに思います。タイトルは「猫と五つ目の季節」、初めての小説、11月3日に書店に並びます。10月には物語の舞台となった吉祥寺で先行発売イベントも決定。どうぞよろしくお願いします。


表紙_1_2_S
 猫と五つ目の季節 山田稔明


 出版社:ミルブックス |2015年11月3日 発売 価格1300円(+税)
 四六版 ハードカバー 176ページ ISBN978-4-902744-79-8 C0093

 音楽家の<僕>が愛猫と過ごした愛おしい季節
 三毛猫ポチが招き入れた奇跡の物語

 日々のささやかな風景を鋭い感性で繊細に描写した歌詞で定評のある
 シンガーソングライター・山田稔明(ゴメス・ザ・ヒットマン)が
 愛猫と暮らした13年を魂込めて綴った、自伝的初小説

 ★内容紹介
 吉祥寺、葉山を舞台に繰り広げられる、猫と人との種と時間を超えた感動の物語。
 著者が経験した、奇跡のような実体験をそのまま小説にしました。心地よい感動の後
 自分にとって本当に大切なものは何か、それを見つめ直すきっかけを与えてくれる
 愛に溢れた物語です。さらには猫と暮らす上での大切な基礎知識も丁寧に描いており
 猫のことを知るため、猫を飼うためのマニュアル書としての実用面も兼ね備えた
 今までにない「猫小説」です。


 <発売記念ライブも決定!>

 2015年10月18日(日)@ 吉祥寺 キチム
 山田稔明『猫と五つ目の季節』発売記念ライブ
 LIVE “猫と五つ目の季節”

 18:30開場/19:00開演/前売4000円(ドリンク代別途)
 出演:山田稔明 with itoken、近藤研二 他
 *チケット情報など詳細は追ってお知らせします



  
Posted by monolog at 12:19Comments(1)TrackBack(0)