2011年から作り始めた山田稔明カレンダーは今年で11作目。毎年たくさんの方にご愛顧いただきますが昨年末には故郷佐賀県基山町でカレンダーの10周年を記念する展示をやっていただいたり、インスタグラム経由で僕のことを知ってくれた方からのオーダーが増えたりしてこれまででもっとも多い部数が日本中に(アメリカにもいくつか)わが本部から旅立っていきました。山田稔明カレンダーは山田稔明およびGOMES THE HITMANのCDや書籍、グッズ各種のアートワークを担当するhoopline吉積里枝が構成とデザインを担当、僕が猫やいろいろのイラストを描く、というスタイルで制作されています。1年12ヵ月分の絵柄を考えるのは、過去作との重複を避けたり登場人物を適宜配置したり、かなり骨の折れる作業です。今年はせっかくなのでカレンダーにまつわるインサイドストーリー的なものを毎月書き記していこうと思います。ひと月ひと月がより愛すべき時間になるかもしれません。
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<1月:フュリオサでぶっとばせ>
hoopline吉積があるときネットで見つけたフォント(書体データ)は「FURIOSA」という名前だった。フュリオサ…、その名前、なんだったっけ?と気になりつつ、その書体のプレーンが「PARK」、イタリックが「DRIVE」と自動車のシフトポジションを連想させ、そのときハッ!と気づいた。映画「マッドマックス 怒りのデスロード」のなかでシャーリーズ・セロンが激しく演じた革命戦士の名前だ。超かっこいい!このフォントのデザイナーのセンス素晴らしい!ということで「FURIOSA」フォントを即購入。なんとしてもこの印象的なフォントで2021年カレンダーの表紙を飾りたい、というところから生まれたのが<1月>のポチチミ書き初めペインティングの絵柄。もちろん使用されているフォントはフュリオサの「DRIVE」。コロナ禍で閉じこもった2020年から、2021年はまたいろんな街へと走って出かけたいぜ、という思いと願いを込めて。
映画「マッドマックス 怒りのデスロード」では物語の最後にこんな字幕が浮かぶ。
“Where must we go, we who wander this wasteland, in search of our better selves”
どこへ向かえばよいのか?この荒れ果てた土地をさまよい、より良い自分自身を探し求める者には
自然と僕の脳裏には「どこへ向かうかを知らないならどの道を行っても同じこと」が流れ始める。2021年はどこへ向かっていくだろうか。